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2005年05月27日(金) |
中国は、日本側の「まだ、会うつもりでいる」という申し出を受け入れるべきだ。 (フィナンシャル・タイムズ) |
◆コメント:欧米のメディアとしては、FT(Financial Times)が初めて先日の「中国ドタキャン」問題を、社説で取り上げた。
5月24日付で、私は、「日本は泰然自若としていればよい」と書いた。
書いたけれども、その後、前回の反日デモのときほど、欧米の新聞がこの話を取り上げないので、この件に関しては、どのように見られているのか、少し気になっていた。
そうしたら、本日付の英国"Financial Times"紙が、社説で取り上げた。
やはり、日本が、中国の「ドタキャン」の後で、あまり大げさに騒がなかったことが、好意的にとらえられているようだ。
勿論、FT紙一社が欧米全ての意見を代表しているとは言えないだろうが、4月の反日デモの頃から色々な新聞を読んで、彼らの見方はほぼ一致して、どちらかといえば、日本に対して好意的である、という「トレンド」を、少なくとも私は感じている。
したがって、やや早計、ないし、楽観的に過ぎるかも知れぬが、他の新聞が社説を書いても、多分同じ方向を向くと思われる。
中国にとって致命的だったことは、いくら、日本の首相が靖国神社を参拝することに反対だとはいえ、「自分の方から申し込んでおいた会談を、ろくに挨拶もせずに、直前にキャンセルし、しかも明らかにウソであると分かるような言い訳をした」ということで、国家を代表して訪れた者の行為としては、話にならないほど非礼、かつ、小児的だったことだろう。
外交に関して海千山千のヨーロッパの連中から見たら、「何をガキのようなことをやってるの?」という印象なのだろう。
そこまではっきり書いてはいないが、次に、本日付Financial Times紙社説を訳したので、お読みいただきたい。
引用元は、
FT.com / Editorial comment - Political perils
http://news.ft.com/cms/s/31eb1d08-cd83-11d9-aa26-00000e2511c8.html
である。
◆記事:(日中関係の)政治的危機
中国における、反日デモ騒ぎで、険悪になった日中関係は、ひとまず修復されつつあったのだが、それも束の間、このアジアの2大経済大国は、決してお互いの為にならないのだが、また、面倒な対立関係に陥ってしまった。
新たな両国間の緊張は、今週、訪日した中国の呉儀副首相が、以前から日程が決まっていたにも関わらず、小泉純一郎内閣総理大臣との会談を勝手にキャンセルして、帰国するという侮辱的な行為に走ったことに端を発している。
呉儀副首相は突然、会談キャンセルは「緊急の(国内の)公務」が生じた為だと言っていたが、それが、見え透いたウソであることは、すぐにばれた。
彼女はそのまますぐにモンゴルに向かったのである。
小泉首相は、第二次大戦の戦没者と共に、所謂「戦犯」が合祀されている靖国神社への参拝を、頑固に繰り返していることが、中国の非礼な行為に関係しているかも知れない。
小泉首相は、呉儀首相が来日する前日、国会における答弁で、「靖国神社参拝に関して、諸外国は内政干渉するべきではない」とぶち上げたのである。さらに、小泉氏は中国を挑発するかのように、中国の賢人、孔子の有名な、「罪を憎んで人を憎まず」という一節を彼の行為を正当化するために使った。
この言葉自体には、あまり意味がない。
はっきり言うと、呉儀副首相の極めて異例かつ非礼な、キャンセルという事件が無かったら、世界の誰も、小泉首相のスピーチに関心を示さなかっただろう。
中国外交の稚拙なところは、小泉首相を「靖国問題」で追い詰めようとすればするほど、逆に小泉首相はムキになって参拝を止めなくなることは目に見えていたのに、それをやってしまい、両国を外交の袋小路に入り込ませてしまったことである。
こんなことを続けて、もっとも、損をするのは、両国自身の経済である。
日本と中国だけで、アジアのGDPの85%を占め、互いに最大の貿易の相手国なのである。
小泉総理は、呉儀副首相の非礼に、さすがに唖然としていたが、呉儀副首相が去った直後に、自分はまだ、いつでも中国の高官に会うつもりだ、といってのけた。
どちらの国の政府も国内のナショナリズムの圧力を受けて、悩みの多いところであろう。
しかし、北京は、もし本当に日本との関係を改善したいのであれば、つまらない小手先外交は止め、小泉首相の申し出に応ずるべきだ。
2004年05月27日(木) 「アル・カーイダ テロ支援の組織作りを許すな」(読売社説) そもそも、日本がイスラム・テロ組織の標的になったのは何故?
2003年05月27日(火) 「<曽我ひとみさん>朝日新聞がおわびの文書 曽我さんらは不満」当然だ。朝日社長が直接謝れ。