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JIROの独断的日記
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2010年05月27日(木) メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の初演でソロを弾いたヴァイオリニストが書いた「トロンボーン小協奏曲」

◆今年生誕200年はショパンだけではありません。

今年は、ショパン(1810-1849)の生誕200年だと、クラシック・ファンは騒ぎ、

レコード会社は、あの手この手で何とかショパンのCDを売ろうと必死です。

ですから、これは既に十分に知られていることで、私がとやかく書くまでもない。


私の知る限り、知名度はショパンに遠く及びませんが、ショパンと同い年の作曲家で、

フェルディナント・ダヴィッド(Ferdinand David 1810-1873)という人がいます。

とは言っても彼は、本職はヴァイオリニストで、今も存在する由緒あるオーケストラで、

メンデルスゾーンが指揮者を務めていた、ライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の

コンサート・マスターを長く務め、あの「メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲」の初演の際、
ソロを弾いたことで知られています。


彼は、ヴァイオリンも非常なテクニックの持ち主だったそうですが、

2曲の交響曲を始め、40ほどの作品を残しているそうです(ウィキペディア)。



その中で現在も演奏されるのは、トロンボーン小協奏曲だろうと思います。

今はトロンボーンで毎コンを受けられませんが、かつて、今から思うと相当混乱してますが、

管楽器(金管)の年と管楽器(木管)の年が有りました。毎コンの管楽器部門は、

あーでもない、こーでも無い、と随分、部門の分け方とか開催頻度が何度も変わりましたが、

今、それを説明すると長くなります。


申し上げたいことは、以前はトロンボーンでも毎コンを受けることが出来る年があり、

その場合、必ず課題曲にこの、ダヴィッドの「トロンボーン小協奏曲」が含まれていました。


◆ダヴィッドの小協奏曲、スウェーデンのトロンボーン奏者、クリスチャン・リンドベルイの演奏でどうぞ。

トロンボーンの協奏曲がプログラムに取りあげられる機会など、限りなくゼロに近いのに、

世界で1人だけ、ソロ・トロンボーン奏者として成功しているスウェーデンの

クリスチャン・リンドベルイという、信じがたいほど上手い人がいます。

学校の吹奏楽部でトロンボーンを吹いている少年少女諸君はよく御存知だろうけど、

ごく普通のクラシック好きなら、知らなくて当然です。


初めて聴かれる方も多いでしょうが、なかなか良いのです。

形式上は3楽章構成になっていますが、実際には続けて演奏されます。


トラックを三つに分けましたが、第一楽章が終わったらすかさず、第二楽章の再生を開始する、

という要領でお願いします。第二楽章は4分ほどの「葬送行進曲」ですが、退屈だったら飛ばして、

第三楽章を聴いて下さい。


フェルディナント・ダヴィッド トロンボーン小協奏曲 第一楽章



Trombone Concertino, Op. 4 1st movement



第二楽章



Trombone Concertino, Op. 4 2nd movement



第三楽章



Trombone Concertino, Op. 4 3rd movement



第一楽章で、勢いよくソロ・トロンボーンが飛び込んで来る所と中間部の美しいカンタービレとの対比が素晴らしいと思います。

ダヴィッドさんは前述の通りヴァイオリン奏者ですが、トロンボーン奏者に相談もしたでしょうけれど、

トロンボーンの特性、というか「ツボ」を見事に押さえていると思います。


なお、インディアナ大学音楽学部トロンボーン科のサイトには、この曲を演奏する上での

詳細な留意点を解説しているセクションがあります。



この曲のCDはありますけれども、AmazonHMVも少々高い。

iTunes Storeだとアルバムごとダウンロードしても1,500円、

ダヴィッドだけなら、3つの楽章併せて450円です。ご参考まで。


◆クリスチャン・リンドベルイの素晴らしいテクニックを聴くためには・・・。

フェルディナント・ダヴィッドから話が逸れますけれど、このリンドベルイという人は無茶苦茶上手いので、

最初に日本で有名になった、ヴィルトゥオーゾ・トロンボーン(Virtuoso Trombone)というアルバムが、

ちょうど良いのですが、これがまた、AmazonHMV共にちょっと高い。

これも今回はたまたまですが、iTunes Storeから、好きな曲だダウンロード購入した方が、

安いです。


さて。

いまだに私はトロンボーンでどうして、演奏可能なのか不思議で仕方がないのですが・・・。


リムスキー=コルサコフ:熊ん蜂の飛行



Flight of the Bumble-bee


最初にこの演奏を聴いたときに、唖然としたのを良く覚えております。


もう一曲は、これは、スコットランド民謡「スコットランドの釣鐘草」をテーマにした変奏曲です。

変奏曲の型としては、単純というか、初歩的なのですが、兎に角、お聴き下さい。


アーサー・プライヤー(Arthur Pryor (1870-1942)):スコットランドの釣鐘草変奏曲。



Blue Bells of Scotland



トロンボーンのイメージが大分変わったのではないでしょうか。

それでは。

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