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JIROの独断的日記
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2010年12月01日(水) 無理に「仕事が好きだ」とか「楽しく働かなければ」と考える必要はありません。

◆私は、26年8ヶ月、サラリーマンをしていますが、今だに会社も仕事も嫌いです。

別に何かあったわけではないのですが、兎角(とかく)企業は

若い社員を「洗脳しよう」とします。その方が都合が良いからです。

そういうことで悩んだことがあるので、もしかして同じような若い方の気分が楽になれば、

と思い、書いています。

四半世紀以上も会社に勤めていますが、私は今まで

心底仕事が好きだ

とか
仕事が楽しい

思ったことは一度もありません。

企業というところでは、特に、「若手」には色々「研修」と称する「洗脳」を試みます。

社会人たるもの、常に「向上心と持ち」、どのような部署に

異動になっても、どのような仕事を任されても、それが「好きになるように努力し」なければならぬ。

とか言われます。

真面目にそのように考えようと「努力」したこともありますが、

一生懸命努力するほど、精神的に追い詰められて、ノイローゼ気味になりました。


ある時、それは自己欺瞞だからだ、という簡単なことに気が付きました。


◆サラリーマンは仕事を選べません。

仕事を選べないというのは、職業選択の自由を侵害しているわけではありません。

会社では、構造的に自分が好きなことをする、という仕組みになっていないのです。


就職活動では、どこの会社でも人事部が出て来て、

何故、我が社を志望するのか?

或いは、
もし、入社出来たらどのような部署に行って何をしたいか?

と、バカの一つ覚えのように学生に訊きますが、そんなの分からんですよ。


「何故、我が社を」って、そこそこ有名で、潰れそうになさそうだし、受付のお姉さんも感じが良かったし

ぐらいものですよ。どの企業が何をしていて、その業界ではどのような評価を得ているか。

経済界全体ではどのようなステータスにあるか、などということは、実際に会社員になり、

暫く時間が経って、世の中の仕組みを知るまで、分かりません。


また、「どんな仕事をしたいか?」も愚問で、そもそも学生は企業で正社員として、

働いたことないのですから、仕事とはどのようなもので、どこの部署に行ったら何をやらされるか

分かるわけがないのですよ。


そんなことは人事部とて、分かっているのですが、敢えて質問するのは、

「どの程度、演技力があるか?」「ウソでも、尤もらしい理由を考える知能があるか?」

をテストしている(それ「だけ」ではないでしょうけどね)と思っていい。


どんな仕事をしたいか?と訊かれて、ある仕事を希望したところで、最初からその部署に配属する気など

最初から会社には、ありません。

サラリーマン、特に私たち「総合職」は辞令が下ったら、ハンコ一つで

どのような仕事でもしなければなりません。それが好きか嫌いか、全く関係ない。

一人一人の希望を忠実に叶えてやったら、会社など成り立ちません。

そういう環境で、「自分が好きな仕事」に遭遇する確率は極めて低いし、

たとえ、その低い確率が実現したとしても、数年に一回は人事異動があります。

一生、好きな仕事をしていられるサラリーマンなど、いないのです。


◆嫌いだけど、食うために勤務時間は真面目に働いているのだ、と思えばいいのです。

それでも会社は、尤もらしい事をいうのですよね。

適性は自分で創るものだ。

などといいます。これは翻訳すると、
「自分が不得意な仕事をやることになっても、勉強して、得意になれ」

そんなこと言ったってね。事務職の仕事なんて、面白いってもんじゃないですよ。

しかし、我々は、入社を決めた時に、会社と「雇用契約」を交わしているのですから、

自分の時間と、労働力を提供しなければ、対価としての給料は貰えません。

私は、段々悟ってきまして、要するにつまらないものはつまらない、と思えばいいのだ

と考えるようになりました。但し、仕事は我慢して一生懸命やる。

自分の怠惰さがばれないように、非常に集中しますので、何と職場の人々は

私の頃を「仕事熱心な人」と思っています。


私は、生来怠惰な人間です。働くこと自体、本当は非常に面倒臭い。

できることなら、一生、毎日、家でゴロゴロしていたいですよ。

そういう怠惰な自分を自覚していますので、会社ではそれを抑圧して、

とりあえず勤務時間は一生懸命にやります。嫌だなあ、面倒だなあ

といくら思っても、仕事そのものをきちんとしていれば、なんら問題はない。

「仕事も会社も嫌いだ」と頭の中で考えていようがいまいが、結果として

給与に相応しい労働力を提供すれば文句なかろう、と思っています。

この、本当の気持ち。
本当は、俺は仕事(労働)も会社も大嫌いだが、食うためにはたらいているのだ。

を認識すれば、良いのです。書店の「ビジネスマン自己啓発書」コーナーに置いてある本には、

そういうことは書いていない。仕事を好きになる方法とか「プラス思考の勧め」とか、枚挙に暇がない。


言うまでもなく、本当に仕事が好きな方は、勿論それで結構です。

しかし、本当は嫌いなことを無理に好きになろうとすると、大変苦しい。

自己欺瞞だからです。「嫌いなものは嫌いなのだ」と考えると、

随分楽になりますよ。

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