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JIROの独断的日記
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2010年07月02日(金) 「楽天 英語を12年中に社内公用語化」←アホか?

◆記事:楽天 英語を12年中に社内公用語化(6月30日21時38分配信 毎日新聞)

楽天の三木谷浩史社長は30日、東京都内で会見し、社内の公用語を12年中に英語に完全に切り替えると発表した。

三木谷社長は「世界企業に脱皮するには英語が必要と判断した」と理由を説明。

同時に発表した今後の国際事業戦略についても、英語で説明を行った。

三木谷社長は会見の冒頭、英語で「社内の公用語を英語に変えている最中であり、

(ここは)日本だが英語で説明させてもらう」と断ったうえで、同社の将来ビジョンを解説。

その後の記者らとの質疑応答では、英語の質問には英語で、日本語には日本語で応じた。

同社では役員会議などの資料を英語にし、役員会議や幹部会議などでの会話も、英語で行い始めている。

三木谷社長は「世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。

海外の優秀な人材を得るためにも必要」と説明し、必要があれば本社機能の一部海外移転もあり得るとの考えも示した。

今後の国際戦略については、事業を現在の6カ国・地域から27カ国・地域へ拡大し、

グループの販売額を09年度の1兆円から将来的に20兆円まで伸ばす目標も打ち出した。

楽天以外の国内企業では、日産自動車が社内の経営会議などを英語で行っているほか、

カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングが12年3月から英語を社内公用語化する方針だ。


◆コメント:あまりにも幼稚。

あまりにも、単純・短絡的な思考である。三木谷社長という人、もう少し利口かと思った。

(というか、最後にもう一度書くが、自意識と自己顕示欲が非常に強いのだろう)。


三木谷氏に於ける「世界企業」の定義が頭の中でどのようになっているかしらないが、

仮に、「世界的に事業を展開する企業」と常識的に解釈するならば、

既に、トヨタ、ホンタ、パナソニック、SONYなどの製造業。

その他に伊藤忠商事、三菱商事等々総合商社の海外駐在員は戦前から世界中に飛んでいる。

これらの会社の内、日産は社長がゴーン氏になったとき仕方がないから書類を日本語と英語で作っているらしいが、

これはいうまでもなく、経営の最高責任者の日本語運用能力が、十分ではないから、英語を使わざるを得ない、

という、極めて特殊な事情による。


トヨタなど、今年はリコールで揉めたが、アメリカ人はあまりにも多くのトヨタ車が走っているので、

普段、"TOYOTA"が日本企業であることを意識していない、という。

これぞまさしく「世界企業」だ。しかし、トヨタ本社で、日本人従業員は日本語で話している。

あまりにもあたりまえである。


私は、トヨタ以外にも、上で掲げた日本を代表するメーカー(製造業)や総合商社などの本社を

何度訪ねたか分からないが、失礼ながら楽天などとは比べものにならない、日本を代表する「世界企業」で

英語を社内「公用語」にしている会社は、存在しない。


私の勤め先(具体的に企業名・業種は言えないが)も同様である。

私自身ロンドン駐在員だったことがあるけれども、一体世界にいくつ、

支店、出張所、駐在員事務所、現地法人を設けているのか、数えてみたら、

北米・中南米・中国・その他アジア、オセアニア(オーストラリアですな)、中東、ヨーロッパ、アフリカに、

規模の大小はあるけれども、合計54拠点だった。


世界中に営業拠点を設けて、それぞれの地で商売をしているのが「世界企業」だとするならば、

私の勤務先は「世界企業」だ、ということになるが、

東京本店で日本人同士が英語で会議を行うなどというバカなアイディアは誰も持ち出さない。

海外に拠点がいくつ有ろうが、あくまでも日本の企業なのであり、本店は日本にあり、主な従業員は

日本人なのだから、日本では日本語で仕事をすれば良い。あまりにも当然なことである。


◆人には得手不得手がある。

楽天の三木谷社長は、

世界で事業を成功させるには、スタッフレベルの英語のコミュニケーションが重要になってくる。

海外の優秀な人材を得るためにも必要。

といっている。

それはそうかもしれないが、それは、国際業務に携わる人間に、語学力を求めれば済む話である。

全従業員6,000人が海外業務に携わるわけでは無かろう。

日本国内の業務は、日本企業で有る限り依然として、最も大切である。

そして国内業務に関する会議まで英語で行う必要は全く無い。


三木谷氏は、
ハーバード大学経営大学院を修了し、MBAを取得したワンマン経営者

だそうだ。ハーバードでMBAを取得したのが、自慢なのかも知れないが、自分が英語が得意だからといって、

全従業員に後2年で英語を話せるようになれ、と言っても無理だし、無意味だ。


日本人が東京の会議室で英語で会議をするなど滑稽だし、余程、正しい英語を

教わらないと、皆が日本人特有のデタラメ英語を話すことになるだろう。

それでも日本人同士だから、意味は通じる。しかし、それは「英語もどき」を話しているに過ぎない。

そんなので得意になった社員が、本当にネイティブと話すことになったらみっともない。

人間には、「得手不得手」があって当然である。頑張っても語学な苦手な人はどうしても残る。

世の中全体もそうなっている。だから、通訳者、翻訳者という職業が必要なのである。

業務そのものに専念して貴重な企画を創造する才能はあるが、語学は苦手だ、という人もいるだろう。

そういうひとは、本来の仕事に専念すればいい。

そのエネルギーを、苦手な英語学習に注ぎ、無駄に使うべきではない。


三木谷という人は、こんなアホな決定を下し、かつわざわざ記者会見で発表した。

既に零落した「ホリエモン」と同じような、過剰な自意識と自己顕示欲を感じる。

この会社、大丈夫かしら?

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