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2008年07月02日(水) |
「日経平均、43年ぶり10日連続の下落…買い戻す勢いなく」←単純化して述べるなら、サブプライム問題と原油高が原因です。 |
◆記事:日経平均、43年ぶり10日連続の下落…買い戻す勢いなく(7月2日15時15分配信 読売新聞)
2日の東京株式市場はほぼ全面安の展開となり、日経平均株価(225種)は43年4か月ぶりに10営業日連続で下落した。
原油高などの影響で日本経済の先行き不安が強まり、市場に買い戻す勢いがないためだ。
2日の日経平均は前日比176円83銭安の1万3286円37銭となり、10日間の下げ幅は1166円になった。
株式相場は通常なら、株価が下落しても、割安感が出て数日以内に買い戻しが入る。10日も下がり続けるのは、
1990年代のバブル崩壊や、昨年の米低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」問題による混乱時にもなかった異常な現象だ。
今回は7円安が2度あるなど、じりじりと値を下げている。ニューヨーク市場で原油相場が1バレル=140ドル台に突入する一方、
為替相場は円高基調で推移しており、日本経済の閉塞(へいそく)感が市場で徐々に広がっていることが背景にある。
43年前は、「オリンピック景気」と「いざなぎ景気」に挟まれた「(昭和)40年不況」と呼ばれた時期で、
経営危機に陥った山一証券に「日銀特融」が行われるなど、経済情勢は暗かった。
足元の景気も後退懸念が強まっており、株価の下落は危険信号と言えそうだ。
◆コメント:状況が変化していないから、経済の実体が悪化し続けるのは、ある意味当然なのだが・・・。
確かにこれほど、株価が下がり続けるのを見たことがない。
記事にも書かれているとおり、下げが続けば「値頃感」からの買いが出るのが普通である。
出てはいるのだが、終値が、前日の終値よりも低いと「続落(ぞくらく)」という。10日続落は不気味だ。
原因を単純化すれば、アメリカの低所得者向けの住宅ローン、「サブプライムローン」が不良債権化していること。
住宅ローンを借りているアメリカの低所得者層は、所得水準に鑑み分不相応な住宅を購入していた。
住宅価格が上がり続けている間は、返せなくなったら、家を売れば返せますよ。と言われてローンを借りたのだが、
アメリカでバブルがはじけて住宅価格が下がっているため、それが不可能になった。
借りているカネを返すために、アメリカの家計は消費を減らすであろう。
すると、アメリカの景気が悪化する。アメリカは世界最大の消費国だから、ここで、モノやサービスが売れなくなると、
例えば日本の自動車も売れなくなる。日本ばかりではない。世界の経済が影響を受ける。
この為日本の輸出関連株を中心に株が売られる状況が続くだろう。
もう一つは、世界の投資家のカネを集めて株や、債権や、商品市場で運用するファンド、と呼ばれる連中が、投機の対象として、
原油価格を吊り上げている。このため、日本よりは安いけれど、アメリカでも原油価格が高騰している。
すると、車社会のアメリカ人がクルマに乗らなくなる。ガソリンが売れない。クルマを買い替える人も減る。
原油高がサブプライムローン問題にとどめを刺すように、米国経済にブレーキをかけている。
◆スタグフレーションの可能性
スタグフレーションというのは、物価は上昇しているのに、景気が後退している状態です。
普通、物価が上昇しているときは、経済活動も拡大しているのです。
しかし、今の日本では、先日、「27日(金)に発表された経済指標は、悪いですね。景気後退ギリギリです。」
で書いたように、家計は消費を抑制していると同時に、原油高・原材料高が原因で消費者物価指数は8ヶ月連続して上昇している。
物価が上昇するのはインフレーションといいますね。スタグフレーションとはstagnation(停滞)という言葉とインフレーションの合成語です。
日本はこれに入りつつある。景気は後退している。企業は儲からない、給料は増えないのに、物価は上がる。
当然、生活は厳しくなります。
今日、驚いたのは、この43年ぶりの「10日連続の株価続落」に対して政府が何にも緊急声明を出さなかったことです。
声明を発表すれば株価が戻る、という訳ではありませんが、政府の危機感の無さが端的に表れています。
7月7日からの洞爺湖サミットで、それどころじゃないのでしょうが、この福田政権というのは、本当に無策ですね。
前の安倍政権の時には、教育基本法や国民投票法案を強行採決する、などの暴挙が目立ちました。
いわば、「何をしたらいけないのか、分かっていない政権」でした。
皮肉なことに今の福田政権は「何をしたらいいのか分からない政権」のようです。
株価はまだまだ、下がるかもしれません。小泉政権のときには7,000円台にまで下がったことがあるのをお忘れなく。
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