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JIROの独断的日記
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2010年06月17日(木) 「ストレステスト、25行の結果を個別に公表へ=EU筋」←スペインが要注意です。

◆記事:ストレステスト、25行の結果を個別に公表へ=EU筋(6月18日5時8分配信 ロイター)

[ブリュッセル 17日 ロイター] 欧州連合(EU)が7月に公表する銀行のストレステスト(健全性審査)の結果は、

最大手25行については個別行ベースで実施する。複数のEU筋が17日、明らかにした。

フランスのサルコジ大統領は「すべての国で銀行ごとに(結果の公表を)行うことを決定した」と述べた。

あるEU外交筋は「個別行ベースの開示は最大手25行になる」と語った。


◆コメント:確かに欧州の銀行の状況が分からないより良いのですが・・・。

ストレステストといいうのは、昨年、アメリカの連邦準制度理事会(FRB)が大手金融機関に対して、

実施しましたが、今よりも、ずっと景気が後退した仮の状況を想定して、

「株価がこれぐらい下がったら、この銀行はいくら含み損が出て、その場合資本不足に

陥らないか」というような(項目は多岐にわたりますが)、ことを点検して、銀行が潰れないか、

検査するということです。「ストレス」とはその「仮定上の最悪の経済状況」ということです。

要するに今なお、世界的に経済に不安が残っているのは、リーマンショックによる、

金融危機の影響から、世界中の銀行が完全に脱し切れていないという事です。

あのとき、リーマンの債券や、リーマンの株に投資していた世界中の銀行はもとより、

アメリカの住宅ローン専門金融機関がサブプライムローンを証券化して世界中に売ってました。

で、そのサブプライムローンは今も不良債権のままなので、世界中の銀行は多かれ少なかれ、損失を

被ったのです。日本のメガバンクは、もともと資本に対してさほど、大きくサブプライムローン関連商品に

投資していなかったし、していた銀行も損失を既に償却していますが、体力の無い欧州の銀行や、

その銀行を救済するために、リーマン・ショックの後は世界中の中央銀行が民間銀行に資本注入したのですが、

もともとEUもアメリカも財政危機にあったのに、余計な出費を余儀なくされたわけです。

この日記で何度も書きましたが世界中の金融システムは一つのおおきなネットワークになっていて、

ローカルな業務しかしない銀行ならばともかく、多少なりとも海外の銀行と資金の貸し借りを行っている銀行は、

どこの国のどの銀行が潰れても、世界的な金融システムに影響します。これをシステミックリスクといいます。

はっきりいうと、ひとつ潰れると、ドミノ式に世界中に広がる恐れがある。そうなったら金融恐慌です。

ギリシャの財政危機が問題なのは、それによってギリシャの銀行がヤバくなったときに、ギリシャ政府が

自力で救済できない。EUとして放っておけなかったのは、それが理由です。


スペインで、2番目に大きな銀行、バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリアという銀行が、5月末、

短期金融市場で資金調達困難になったとウォール・ストリート・ジャーナルが報じたのですが、

今週、スペイン政府と、バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリアが、確かにそういうことがあった、

と認めたのです。


EUは、こりゃ、EUの全ての大手行を調べないとヤバい。といので、25行にストレステストを行い、

その結果を7月に公表するというのが冒頭の記事です。

EUの大手銀行の財務が健全なのか不安なのか分からない、という状態よりは、勿論、

分かった方がいいのですが、フタを開けてみて、仮に(あくまでも仮定上の話です)、


「殆どの大手行に不安がある」という結果だったら、またユーロが売られて円高、ドル高になり、

ヨーロッパへ輸出している他の国には打撃ですし、株が連鎖的に売られるかも知れないのです。

公表するのはいいことですが、現時点では、単純に喜べないのです。

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