JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事1:<新型インフル>国内死者50人に 茨城の40代男性死亡(11月7日19時23分配信 毎日新聞) 茨城県は7日、脳幹出血で6日に死亡した同県ひたちなか市の40代の男性臨床検査技師について、 ◆記事2:インフルエンザ、全国で警報レベルに=週の推計患者154万人−感染研(11月6日11時51分配信 時事通信) 10月26日から11月1日の1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は1カ所当たり33.28人となり、 ◆コメント:確かに感染者数ば爆発的に増えているのですが・・・。 順番が前後するけれども、現時点での新型インフルエンザ感染者数について報じた 流行開始以来、全国で警報レベルを超えたのは初めて。 とありますが、これは、どういうことか。 落ちついて、警報・注意報システムとはを読みます。 すると、次の説明があります。 警報発生の仕組み とあり、更に、次の図が掲げてあります。 つまり、前の週、警報レベルに達していなかった定点あたりの報告数が30を超えると「警報」が新たに発せられる。 前の週、既に、警報レベルに達していた定点では、報告数が10を超えると「警報維持」となるのです。 10月26日から11月1日の1週間に全国約5000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者の合計を平均すると、 1カ所当たり33.28人となるので、 全国で「警報レベル」を超えた ことになり、それは、初めてであるが、5,000カ所全てで新たなインフル患者が30人を超えた訳ではありません。 例えば、11月 6日 インフルエンザ流行レベルマップ[疾患別情報]第44週(10月26日〜11月1日)で、 東京都だけの患者数を見ると、世田谷は赤(警報)ですが、 杉並や練馬は黄色(注意報)です。 このように、確かに患者数は確実に増えているけれども、場所によってだいぶ差があります。 注意報だからといっても勿論油断してはいけないのですが、マスコミは徒に人心を動揺させないように、 できれば、ここに書いたような説明を書くのが望ましい、と思います。 ◆記事1のケースは新型インフルによる死亡かどうか分かりません。 記事1もまた、ミス・リーディングです。 ちょっと気をつけて読めば明らかですが、茨城県ひたちなか市の40代の男性臨床検査技師は、 <新型インフル>国内死者50人に 茨城の40代男性死亡 としか、書いていないので、あたかも新型インフルエンザが原因で40代男性が死亡した、 という印象を受けます。 ミス・リーディングだ、と書いたのはそういうことです。 仮にこの男性の死因がインフルエンザだったとしても、全国これまでの新型インフルによる死者数は50人。 11月 6日 インフルエンザ流行レベルマップ[疾患別情報]第44週(10月26日〜11月1日)の説明を読むと、 第28週(←新型インフルエンザ感染者が急に増え始めた週)以降これまでの累積の推計患者数は585万人 とのこと。死者数50/累積推定患者数5,850,000=0.00085%。つまり11万7000分の1、が致死率であることになります。 ゼロではない。あなたも私もこの11万7,000分の1の1人になる「可能性」はあります。が、病的に恐れるほどでもない。 新聞テレビのこの手の報道はいつでもこの調子なのです。インフルエンザに限らず、薬の副作用を伝える記事などでも、 「分母」を言わずに「分子」だけを伝えるので、「確率」が分からない。 タイトルに、「報道は正確に」と書いたのは、そういう意味です。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年11月07日(金) 「10月の米雇用、24万人減 失業率6.5%に悪化」←もう、1929年に近い状態じゃないかな。
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