JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:「家族間殺人は経団連にも責任」波紋広がる(日テレNEWS24 - 10月06日 19:53) 日本で家族間での殺人事件が増えていることについて、亀井金融・郵政相が5日に「日本経団連にも責任がある」と発言し、 ◆コメント:問題は2つ。事実の誤認と、論理の飛躍だ。 亀井金融相は、小泉純一郎が首相になった時に煮え湯を飲まされ、余程4年間 「こんちくしょう」と思っていたのだろうが、「江戸の仇を長崎で・・・」にしても少々はしゃぎ過ぎである。 本件に関して言えば、まず、事実の認識に誤りがある。 昨年、私は、「Always 三丁目の夕日」の時代(昭和30年)の方が今よりもずっと殺人事件認知件数は多かったのですな。(ココログ)を書いた。 お読み頂くと有難いが、結論だけ、ここに書くと、 メディア報道により、殺人事件は年々増加の一途を辿っている「印象」を受けるが、実際は昭和30年代半ばの殺人事件は今の2倍も起きていた。 のである。正確には「警察庁の殺人事件の認知件数の推移をみると、昭和34年は平成16年の倍もある」ということだ。 この件につき、私よりも一層詳しく書いておられる方がいらっしゃる。 凶悪犯罪増加の誤解を解くページ である。 そこには、正に亀井大臣が言及した「家族間殺人」(家庭内殺人)について、家庭内殺人大幅増は錯覚です という稿がある。 まず、平成19年(2007)の殺人発生数は戦後最低であることが統計上明らかだ、と述べられており、 更に、嬰児殺(赤ちゃん殺し)と幼児殺人被害者数統計を見れば分かるとおり、子殺し(大部分は母親によるもの)は激減している。 次に親殺し統計を見ると、直線的に減り続けてはいないが昭和30年代が一番多かったことは明らかである。 そして、殺人事件全体の認知件数は平成20年と昭和33年(あののどかな映画「Always 三丁目の夕日」で設定された年)を比べると、 後者が前者の2.5倍もあったのであり、殺人事件の総数が減っている中で家族間殺人の「比率」が増えているとしても、 その絶対件数は確実に減少している筈である。
亀井金融相は、「大企業の経営が、人間を単なる利益を得るための道具としか考えない風潮を作った」と指摘し、 ◆日本銀行の独立性を侵害している。 殺人事件と、完全に話が別である。今朝の日経朝刊は一面に次の記事を載せた。 ◆記事:CP・社債買い取り、年末打ち切りへ 日銀検討 (日経) これを読んだ亀井金融相は、まだ、CPや社債の買い取りを打ち切るのは早い、と主張したのだが、言い方が良くない。 ◆亀井金融相「日銀はときどき寝言」危機対応打ち切りをけん制(NIKKEI NET)(10月6日13:23) 一言余計なんですよ。これ読んだら、日銀総裁だって、不愉快であろう。 金融相が公の場で、日銀が真剣に検討している内容を「寝言」呼ばわりしたのだから。 中央銀行の独立性は、守られなくてはいけないのである。 政治家が、人気取りの為に、或いは偉そうに振る舞いたいが為に、中央銀行の意思決定を 牽制してはならないのだ。 本件に関しては、内閣総理大臣が金融相を厳重注意すべきである。 放っておくと、亀井氏は言いたい放題を続け、日本の新政権は如何にも意思が統一できていない、 という印象を世界中のマーケットに与え、それは、日本の信用を低下させることになるだろう。 【読者の皆様にお願い】 是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。
2008年10月06日(月) 米国金融不安の波及。今日だけでもこれだけニュースがあります。
JIRO
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