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2008年12月19日(金) |
「日銀、0.1%に利下げ=景気下支えへ7対1で」←金融政策の有効性の限界。 |
◆記事:日銀、0.1%に利下げ=景気下支えへ7対1で−白川総裁「最大限貢献」(12月19日21時1分配信 時事通信)
日銀は19日の金融政策決定会合で、
政策金利である無担保コール翌日物の誘導目標を年0.3%から0.2%引き下げ、
0.1%にすることを7対1の賛成多数で決め、即日実施した。
金融危機に端を発する欧米経済の悪化などから日本経済も急激に冷え込んでおり、景気を金融面から下支えする必要があると判断。
事実上のゼロ金利政策を導入した米国と足並みをそろえる形で、超低金利政策に踏み込んだ。
利下げは10月末以来2カ月ぶり。白川方明総裁は記者会見で、日本経済を持続的な成長経路に戻すため
「今後も中央銀行として最大限の貢献を行う」と決意を表明。利下げの幅については
「景気刺激効果と市場機能維持とのバランスの中で適切だと判断した」と述べた。利下げに反対したのは野田忠男委員。
日銀は同時に、金融機関向け補完貸付金利を0.5%から0.3%に引き下げた。
金融機関が日銀に預け入れる当座預金の超過分に付ける利息は0.1%に据え置いた。
◆コメント:「利下げ→景気回復」という単純なことにはならない。
日銀は10月の金融政策決定会合で、政策金利(無担コールオーバーナイト)を
0.5%から0.3%に引き下げた(引き下げ幅が0.2%ということ)。
0.2%の政策金利の変更(引き下げでも引き上げでも)というのは異例で、普通、クオーター(0.25%)の倍数で引き下げ幅を決める。
前回引き下げ幅を0.2%にして無担コールの誘導目標を0.3%という、如何にも中途半端なレートに設定したときから、
今回もう一度利下げるつもりだったのだろう。
しかし、現在ほどの景気悪化局面で、市場金利が下がったところで、意味があるのか、極めて疑問である。
政策金利を下げると、普通、
市中銀行が、それに合わせて一般融資やローン金利を引き下げる→ 企業や家計がお金を借りやすくなる→設備投資や住宅着工が増えて、
経済活動が活発になる→景気が上向きになる。
というのが教科書の説明だが、今、日本の景気は悪く、さらに悪化しているので、
銀行の貸出金利が下がったからといって、資金需要があるかどうか。
最も借りたいのは中小企業だろうが、何しろ不況で、どの会社も業績が良くない
(儲けが出ていない、という意味)。借りたい企業の業績が悪すぎる。
銀行も慈善事業ではないから、審査基準(カネを貸しても返して貰えるかと言う判断基準)
を満たさず、貸したくても貸せない、と言う状況だ。
金融庁は貸し渋り対策、と称して大臣目安箱などというものを設けているが、
これは与党の選挙対策、世論の人気取りである。かつてはあれほど、銀行に「不良債権を作るな」といっていたのに。
玄人はそういう事情が見えているので、今日も日経平均株価は、前日比より安値で引けた(週末のポジション調整もあろうが)といっていい。
また、政策金利の引き下げにより、ローンの金利が下がるのはよいが、預金金利もまた下がることを忘れてはならぬ。
前回速水総裁から福井総裁の時期に約10年間、 ゼロ金利政策が続いた所為で、
家計が逸した利益(得べかりし利子)は累計154兆円だった。
低金利政策下において、最終的な負担は家計に及ぶのである。また、あの時代に戻ってしまった。
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