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2008年11月16日(日) |
「金融サミット宣言骨子」←意外感がないので、また、市場は荒れると思います。 |
◆記事:金融安定化へ「あらゆる追加的措置」 金融サミット (NIKKEI NET)(19:46)
日米欧と中国、インドなど新興国の20カ国・地域(G20)による緊急首脳会合(金融サミット)は15日午後(日本時間16日未明)、
金融安定化に向け「あらゆる追加的措置をとる」との首脳宣言を採択し、閉幕した。
世界経済の成長回復には「より緊密で広範な政策対応が必要だ」と指摘。適切な金融政策と
景気刺激の財政政策を組み合わせた協調行動をとる方針を明記した。次回会合は2009年4月末までの開催で合意。
合意に沿って金融安定化策は実行段階に移るが、具体化に向け課題は山積している。
首脳会合では、首脳宣言とは別に金融危機の再発防止のための具体的な措置を盛り込んだ「行動計画」も決定した。
規制の拡大や監督の強化、国際金融機関改革など5つのテーマに、合わせて50近い項目を盛り込んだ。
【為参考】金融サミット宣言骨子(注:Webキャッシュ保存サービス利用)
◆コメント:新味に乏しいので、却って逆効果だったかもしれません。
今週末、G20という、金融問題にテーマを絞った緊急首脳会議が開かれていたのです。
こういう会合の常で、最後には、「宣言」を採択して終わります。今回も勿論、「宣言」が発表されました。
金融サミット宣言骨子(ウェブキャッシュ保存サービスを使っているので、リンク先をもう一度クリックして下さい)ですけれど、
色々書いてありますが、要するに目新しい事が何もない。
金融安定化へ「あらゆる追加的措置」って、そりゃそうでしょうよ。下手すれば恐慌なんですから。
要するに、各国とも、金融当局が、市場の監視を強化するということ。
必要とあらば、更に強調利下げをする準備がありますよ、ということ。
出来るだけ、財政支出によって景気刺激策をとりますよ、ということ。
これらを単独でやってもあまり効果がないから、やるときには各国の連絡を緊密にして、一斉にやりますよ、と言うこと。
ごく大雑把に言うと、そういうことで、それは今までと大きな変わりがないのです。
一つ、期待されていたのは株式、債券、為替、商品市場で巨額の資金を動かし、市場を混乱させるヘッジファンドという連中を
規制する具体案なんですけど、それも言わなかった。
こういう会議は、何か世界をアッといわせる様なことを決めないと(それは難しいのですが)、期待はずれで、
却って、翌日から株が売られます。
◆やはり、参加国が多すぎたかも知れません。
普通、経済・金融関係の相談をするのはG7とかG8の主要国だけで決めるのですが、
今の世界経済は100年に一度の危機、といわれていて、先進国だけではなく新興国も困っているので、参加しました。
参加国を調べたら、アルファベット順で、
アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、
メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、トルコ、イギリス、アメリカ、そして、EU(欧州連合)でした。
新興国に「出るな」とは言えませんが、やはり主要国と比べたら、金融政策の経験とか、金融機関の監督手法、能力などに、
バラツキがありますから、共通の具体策を策定するのが困難だったのではないかと思います。
だから、金融サミット宣言には、50項目も書いてはありますが、具体策の本当の「詰め」が甘いのです。
そのため、継続審議しなければならないことが多いのでしょう。来年4月に次回会合を開くそうですが、
その間、何があるか分かりません。
はっきり言って、今回のG20は、間違ったことは言っていないけど、当たり前すぎて、
「世界金融市場はこれでひと安心」とはとても、言えません。
明日以降の市場(株、為替、債券など)は、乱高下するか、再び急落すると思います。
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