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2008年05月23日(金) |
弁護士の仕事に、「予防法務」があることを知りました。 |
◆「ホカベン」についての記事を書いたのがきっかけです。
10日ほど前。私はテレビドラマ「ホカベン」で改めて思い知る人間の醜さ(ココログはこちら)という記事を書きました。
そこで私は、
「このドラマは、きれい事を並べるのではなく、世の中の現実をリアルに描いているのがいい。
弁護士はドラマに登場する弁護士がいうように、クライアントの為ならどんな手段も使う。そういう汚い現実もある。
という趣旨のことを(それだけではありませんが)、書きました。
翌日、私の日記を以前から読んで下さっている、今は法科大学院で弁護士を目指して勉強している方からメールを頂きました。
◆弁護士を目指している方からのメールの趣旨。
メールを下さった方は、法科大学院(司法試験制度が平成14年に変わり、今、司法試験を受けるためには、法科大学院課程を修了することが必須条件なのです)
で勉強中の女性です。
その方のメールの要旨は次のようなものでした。
自分は弁護士になりたくて努力を重ねてきたが、最近、世の人々が想像以上に弁護士に対して
「悪い」イメージを持っているらしいことがわかり、ショックを受けた。
それ以来、ブログで「弁護士」という言葉に敏感になっている。
好意的に書いてくれる人もいるが殆どは悪口だ。そんな職業を目指していると思うと悲しくなる。
自分は、「ホカベン」における堂本灯(主人公。新米弁護士。演ずるのは上戸彩)のような「人権派」弁護士ではなくて、
企業法務を専門とする大手法律事務所で働きたいと思っている。
しかし。
大企業の味方をして、まずいことを隠蔽したり、汚いことでも平気でしてやろう、とか、金儲けをしてやろう、
とは、全く考えていない。自分は争い事が嫌いだ。訴訟など嫌いだ。
ちょっと、一旦区切ります。ここが大変興味深いと思いました。争い事や訴訟が嫌いで弁護士を目指すとは?
と思いました。続けます。
だからこそ自分は予防法務に強い関心を抱いている。
弁護士の悪い面だけを世間の人たちに見て欲しくない。ご理解頂きたい。
私が要約してしまうとこのようになりますが、この文章の見事なこと。理路整然、簡潔明瞭。
法科大学院で勉強中の院生さんです。私の子供でもおかしくない年代の女性が書いたものですが、
それは、まぎれもなく、教育も教養もある方の文章でした。(そういうことは、一目瞭然です)。
これ、もっと「普通の」女性だったら、ヒステリックな文体になってもおかしくないのですが、
この方は、高度な知性と、感情を抑制する理性を兼ね備えた、非常に優秀な方だと思いました。
◆後片付けばかりが弁護士のやることではない、ということです。
予防法務(かなり新しい概念のようです。ウィキペディアの予防法学の説明も読んで下さい)。
つまり、紛争(争い事)が起きてから裁判にして、解決するのではなく、争い事が起きないように、予め手段を講ずる。
その目的のために、法律の知識を駆使する。近年、急速にこういう考え方が広まりつつあるようですね。
これは良い動きですよね。病気になってから治療するのではなく、病気になるのを防ぐ為の「予防医学」になぞらえると、良く分かります。
さらに詳しいことが分かるサイトがあるのですが、リンクを貼れないので、Googleで「後片付け 弁護士 仕事」を検索して下さい。
多分最初にヒットすると思いますが、そのサイトでは、具体的な弁護士が行う、「予防法務」の実際の例が書かれています。
私が法律を勉強したのは(勉強したうちに入りませんが)四半世紀近い昔です。そのころ、こういう概念はありませんでした。
人間が考え出すのは悪いことばかりでは無さそうです。
この方には、本当にお礼を申し上げます。
メールを下さらなかったら、私は、「予防法務」をずっと知らないままだったことでしょう。
勉強、大変でしょうが、争い事を防ぐ弁護士になりたいという志を果たして頂きたい、と思います。
それでは、今日は、この辺で。失礼します。
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