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2008年03月11日(火) |
「鳥肌が立つ」のは、気持ちが悪い時に使う表現である。日本語あれこれ。/【追加】ベルリン・フィルの「ティコ・ティコ」 |
◆「〜を聴いて鳥肌が立った」、という表現。
いつの頃からか、テレビでタレントなどが、ドラマや映画を見たり、音楽を聴いて非常に感動した、という意味で「鳥肌が立ちました」
という表現を多用するようになり、気になって仕方がない。
「鳥肌が立つ」とは恐怖心や嫌悪感、要するに気持が「悪い」ときに用いる慣用句である。
Yahoo!辞書を引いてご覧なさい。小学館の「大辞泉」の説明では、
- 皮膚が、羽をむしり取った鳥の皮のようにぶつぶつになる現象。また、その肌。寒さや恐怖などによって立毛筋が収縮し毛が立って起こる。粟(あわ)はだ。「―が立つ」
- ざらざらしている皮膚。鮫肌(さめはだ)。
とあり、三省堂の「大辞林」でも、同様に、
とりはだ 【鳥肌】
1.寒さや恐ろしさ、あるいは不快感などのために、皮膚の毛穴が縮まって、鳥の毛をむしったあとのようにぶつぶつが出る現象。総毛立つこと。体温調節反射の一つ
・ ―が立つ
2.鮫肌(さめはだ)のこと
・ ―にさはりて〔出典: 浮世草子・一代女 5〕
更に念を入れて、ネット上の大慣用句辞典、くろご式 慣用句辞典(すごいでしょ?)で、「鳥肌」を検索すると、
鳥肌立つ(とりはだだつ) 寒さや恐怖などの強い刺激によって、皮膚に鳥肌ができる。 類:●総毛立つ●身の毛が弥立つ
とのことである。もう、良いでしょう。
「感動して鳥肌が立った」という日本語は正しくないのである。
では何と云えば良いのかは、各自考えるしかない。
「身体が震えるほど・・・」
「胸がしめつけられるように・・・」
「あまりの美しさに背筋がゾクゾクっとした」
はっきり言ってこういう表現力は読書量に比例するんですよ。
◆間髪を入れず・・・
テレビのアナウンサーが「間髪を入れず」を「かんぱつをいれず」と、読んでいた。多くの人が間違って発音するが、プロが間違えては困る。
「間髪を入れず」は「間に髪の毛ほどのすきまも開けず」という意味であるから、
「かん、はつをいれず」
と読むのが正しい。これは、解釈の問題ではなく、これが正しいのだ。
もしも「かんぱつをいれず」が正しいのならば、間髪という言葉が正規の「名詞」として辞書の見出しになっているはずである。
試しに、読者諸氏のお手元の辞書(広辞苑でも何でも。)または、ネット辞書で検索なさると良い。
私のPCにインストールしてある、「広辞苑」第5版では何もヒットしない。
小学館の「大辞泉」にも載っていない。
Yahoo!辞書の三省堂「大辞林」には、「間髪」が載っているが、こう書いてある。
かんぱつ1 【間髪】「間(かん)、髪(はつ)を入れず」の「間、髪」を誤って一語と解釈した言い方。
載せてはいるが、「間、髪」が正しいことが分かる。
多くの人は、「間、髪を入れず」と「間一髪」(かんいっぱつ)を混同しているものと思われる。
◆「暫定税率を維持すべき」
マスコミの世論調査などで度々目にする。暫定税率のことは、今は問題としていない。日本語の表現である。
「べき」は「べし」の連体形であるから、「〜すべき」でセンテンスを終わるのは正しくない。
「〜すべし」又は、「〜すべきである」のいずれかが正しい。言葉のプロたちがどうして誰も気が付かないのか。
◆「ありがとう」に対する返礼は「はい」ではない。
これも随分前から間違って使われているのだが、日本語の挨拶の基本である。
他人から「ありがとうございました」といわれて、「はい」と応答する人が多いが、正しくない。
「ありがとうございました」に対しては、「いいえ、どういたしまして」が正しい日本語である。
◆まとめ
色々と偉そうなことを書いたが、私とて、恐らく知らない間に随分間違った日本語を使っているに違いない。
本をなるべく読むことが有用なのはいうまでもない。
さらに、最近発見したことだが、外国人の為の日本語の教科書を読んでみると、非常に参考になる。
改めて正しい日本語を思い出して愕然とすることがある。
そして、これも言い古されたことだが、なるべくマメに辞書を引くことだ。
以下は余談である。
私の死んだ親父は、辞書・辞典・事典を実にマメに引く人間だった。生前、親父によく言われた。
「分からないことは、まず字引(じびき=辞書・事典類の総称。字を引くから、字引)を引くんだ。」
と。
【追加】音楽:ベルリン・フィルが、「ティコ・ティコ」を演奏しているのをYouTubeで見つけました。
本文とは何の関係もありません。
先月、私がイージーリスニング特集(ココログ)をしたときに、
最後にパーシーフェイス・オーケストラの、ラテン・ナンバー、ティコ・ティコを載せました。これです。
ダウンロード TicoTico.mp3 (3403.1K)
これをですね。全く同じアレンジでは勿論ないけれど、バレンボイム指揮・ベルリン・フィルが大まじめに演っている映像を、
YouTubeで見つけました。ヴァルトビューネじゃないから、ジルベスター(大晦日)かな。
とにかくよろしければ見てください。非常に珍しい。当たり前だけど。
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2006年03月11日(土) 情報流出:小泉首相、管理の不備批判「守秘義務が甘い!」←総理、気が付くまで1年半かかりましたか。
2005年03月11日(金) 「首相苦悩 牛肉輸入再開へ米大統領“直談判” 信頼揺らげば政権に打撃」 政権と国民の生命とどちらが大事?
2004年03月11日(木) 「『長嶋氏最悪免れた』 脳梗塞病状医師が会見 右手の強いまひ続く」 危なかったですね。オリンピックの監督どころじゃないよ。
2003年03月11日(火) 朝日新聞襲撃事件、全て時効が成立。殺人罪に時効なんてあって良いのだろうか?