JIROの独断的日記 DiaryINDEX|past|will
◆記事:青空文庫、6500作品入りDVD-ROMを図書館に寄贈(10月27日1時7分配信 ITmediaニュース) (http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071027-00000007-zdn_n-sci) ◆コメント:人は最初は他人の善意に感謝するが、直ぐに狎(な)れ、「当たり前」と思うようになる。 インターネットに接続できる環境にいて、青空文庫を知らない人は、まずいないだろうから説明を省く。 青空文庫は、利用に対価を求めない、インターネット電子図書館です。 この世知辛い世の中で「青空文庫」ほど寛大なプロジェクトを日本においては、他に知らない。 利用に対価を求めない。というのは、資本主義の原則に反した、無償の行為だ。 どうぞすきなだけ、引用して下さい。どの作品のどのページにも自由にリンクを貼って下さい。 ということなのだ。繰り返すが、他にこんなプロジェクトがあるだろうか。 一つ一つの文学作品は、ボランティアの工作員が、一文字ずつパソコンに入力しているのである。 これがどれだけ大変か。 試しに漱石の「坊っちゃん」の第一章を、 テキストエディタでもワープロソフトでも良いから、実際に入力してみると良い。 第一章とは「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。」に始まり、四国の中学に赴任する為、 汽車に乗るところ。本件の本題から逸れるが好きな場面なので引用する。 ・・・停車場へ着いて、プラットフォームの上へ出た時、車に乗り込んだおれの顔をじっと見て、 で終わる(この部分だけを抜粋すると一回も名前が出ない事に気が付いた。「随分ごきげんよう。」と云ったのは言うまでもなく、清である)。 この最後だけでもわずか188文字だが、漢字の用法、送り仮名、句読点などを正確に入力するには、 随分気を遣う。冒頭も、「親譲りの無鉄砲で小供の時から・・・」で「小供」となっている。普通に変換したら当然「子供」になる。 私は工作員ではないが、このようにすこし想像すれば、青空文庫の作品収録数、6500の凄さが分かろう。 (尤も、作品の中には、詩一編だけ、というのもあり、それは2行で1作品にカウントされる。が、それはやはり例外である。) ◆人間というのはあきれるほど図々しい生き物だ。 「青空文庫は、利用に対価を求めない、インターネット電子図書館です。」と宣言するだけあって 「青空文庫が、『対価を求めない』と明言しているのだから、礼を云う必要はない」 という意見が多いのだろうか。そういうところで育ちが分かるってもんだ。 私がこれらの製品を作って売る会社の経営者だったら、 本製品のテキストはインターネット図書館「青空文庫」を全面的に利用させていただきました。 という意味の(もう少し文章を練るけれども)文言を表示させ、任天堂なんか散々儲けているのだから、 DS文学全集の売り上げから、なにがしか青空文庫に御礼をするように、命ずるであろう。 なお、今回青空文庫が図書館に配布するものとは異なるが、インターネット図書館 青空文庫というDVD付の本がある。 5,000を超える数の文学作品がDVDに収められている。 【読者の皆様にお願い】 駄文をお読みになり、お気に召した場合、エンピツの投票ボタンをクリックしていただけると、幸甚です。 画面の右下にボタンがあります。 よろしく御願いいたします。
2006年10月28日(土) 「カール・ベーム&ウィーン・フィル(1977年日本公演)」(DVD)30年ぶりですね。ベーム先生。お久しぶりです。
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