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2003年10月28日(火) |
自民党の二枚舌「小泉改革宣言」と「解説・自民党重点施策 |
自由民主党のサイトを見ると、奇妙な事に気がつく。民主党の「マニフェスト」に対抗するべく作成されたと思われる自民党の公約は二種類あるのだ。今朝の日経にそのように書いてあったので、改めて、確かめた。そのとおりだった。
一つは「小泉改革宣言」と銘打った、一般大衆向けに要点を大きく掲げたものである。普通なら、これが、自民党の公式の政権公約だとおもうのだが、そのとなりに、「解説・自民党重点施策」という文書が置かれている。
で、すごいことを発見しましたよ。小泉首相は臨時国会で郵政民営化を自民党の公約にすると叫んでいた。そして、「小泉改革宣言」には確かに次のように罹れている。
「郵政事業を2007年4月に民営化
郵政事業を2007年4月から民営化するとの政府の基本方針を踏まえ、日本郵政公社の経営改革の状況を見つつ、国民的論議を行い、2004年秋頃までに結論を得る。」
ところが、である。「解説・自民党重点施策」には、
「新しい日本郵政後者の下でも、国民生活に不可欠な郵便、貯金、保険などの生活基礎サービスを引き続きあまねく全国に提供していきます。」
としか、述べられていない。民営化の文字はどこにも見当たらない。これはどういうことだろうか?
永田町では、現在「解説・自民党重点施策」の小冊子が飛ぶように売れているという。つまり、既得権益を侵されたくない、以前から自民党を支持している人にはこれをくばり、「構造改革といっても、痛い思いをする心配はありませんよ」と訴えているわけである。
そして、一般向けには、見た目が派手でとにかく、「改革」を何とかの一つ覚えのように繰り返して、前向きな印象をあたえようとしているわけだ。しかし、よく読んでみると、あれをやります、これもやります、と景気のいいことを並べ立てているが、どうやって実現するのか、さっぱり分からない。
とりわけ、憲法改正を真剣に考える、と書いてある項目。多分9条のことだろうが、これも具体的なことは何も書かれていない。
とりあえず、響きの良い言葉を羅列するが、あとで、自らの首を締めないように、具体的なことはなるべく書かない、というのが、政治家の常識なのだろう。
なるほどねえ。政治家というのはずるいものだ。小泉改革宣言に踊らされないように、「解説・自民党重点施策」もよく読んだ方がいい。ただ読んでいると飽きるけど、「どうやって、いつまでに実現するの?」という問いをいつも頭の片隅において置くと、その問いに対する答えの無い公約の方が多いことに気がつく。ただの口からでまかせなのか、本気の公約なのかを判別する手がかりになる。
2002年10月28日(月) 「感覚は欺かない。判断が欺くのだ。」(ゲーテ)