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JIROの独断的日記
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2005年10月28日(金) 「日本音コン:ホルン本選会、大野雄太さんが1位」←プロが毎コン受けるのは立派ですよ。

◆記事:日本音コン:ホルン本選会、大野雄太さんが1位(毎日新聞 2005年10月19日 東京朝刊)

 

 第74回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛・三井物産)の本選会シリーズ4日目の18日は、東京オペラシティでホルン部門の本選が行われた。

 128人の応募から2度の予選を通過した6人がR・シュトラウスのホルン協奏曲第2番を競演。

 守山光三ら11氏による審査の結果、豊かでクリアな音を聞かせた大野雄太さん(26)=新日本フィル団員=が第1位に選ばれた。【梅津時比古】

 他の入賞・入選者は次の通り。(入選は演奏順、敬称略)

 ▽第2位 福川伸陽(24)=日本フィル団員

 ▽第3位 松坂隼(22)=東京芸大2年

 ▽入選 木山明子(28)=京都市立芸大卒、岸上穣(20)=東京芸大2年、岩佐朋彦(26)=ハンガリー国立リスト音楽院修了

 ▽岩谷賞(聴衆賞) 大野雄太


◆コメント:プロが1位、2位というのは当然なようで大変立派。

 

 ショパンコンクールに音楽ファンの興味が集中してしまったが、日本で最高に権威のあるコンクール、通称毎コンホルン部門の本選が、10月18日に行われ、今年はなんと1位と2位が現役のプロのオーケストラプレーヤーだった。

 これは、当然のようで、大変勇気がいるし、条件的にも厳しかった筈で、大健闘である。

 勇気がいる、というのは、学生ならば、最近はもの凄く上手くなっているが、何せ「学生」だから、まだ音楽的・技術的に未熟な面が発見されても、「修行中の身」であるという、エクスキューズが可能である。

 これに対して、プロは既にカネを取って演奏を聴かせる人なのだから、上手くて当たり前。 「プロ」がコンクールに出て、学生よりも下位になったら、面目丸つぶれなのだ。 

 そのリスクを覚悟で大野さんと2位の福川さんは毎コン出場を決意し、見事プロたる所以を証明したのだから、立派だ。

 さらに付け加えるならば、学生ならば、「毎コンを受ける」となったら、そのための練習を最優先させることを学校も了承してくれるので、一日中でもコンクールの課題曲をさらっていればよいが、プロはそうはいかない。

「毎コンを受けるので、半年、仕事を休ませてください」とは言えない。

 管楽器は弦と異なり、一人で1パートを吹く上に、ホルンは必ず出るから休みはなかなか取れない。

 オーケストラのコンサートにおけるホルンパートも、何度も経験済みの「新世界」などばかりやっているわけではない。

 仕事の曲の練習もしながら、コンクール課題曲をさらわなければならぬ。これは大変である。 だから、プロの二人の一位、二位には、千金の重みがある。


◆リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲。

 

 ホルン協奏曲といって、まず、クラシック好きが思い浮かべるのはモーツァルトの4つの協奏曲である。

 文句なしの名曲だが、今は技術水準が高いので、むしろオーケストラのオーディションの課題曲になる。

 プロは勿論、プロを目指す者なら、吹けて当たり前なのだ。本当はモーツァルトが音楽的には最も洗練されているのだが、コンクールでは、「どれぐらい高度な技術を身につけているか」をも審査しなければならない。

 そのためには純粋に演奏上のテクニックという点では、モーツァルトよりずっと難しいリヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲が必ずといっていいほど、課題曲になる。

 リヒャルトシュトラウスといえば、交響詩。「英雄の生涯」「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」「ツァラトゥストラはかく語りき」など。オペラも書いてますがね。「アルプス交響曲」ってのもあるな(私は余り好きではないが)。

 しかし、何と言ってもまず交響詩なのだ。そういう人が何故、ホルン協奏曲を書いたのかといえば、オヤジさんが、ホルン吹きだったからである。子どもの頃から最も身近な楽器だったのだ。

 「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」という曲では、曲が始まってすぐに、超有名なホルンソロがある。

 かなりの高音域から、超低音域(ホルンは音域が広い)へ、ジャンプしてゆく難しいソロである。だから、ホルン吹きは、何かというと口慣らし、音出しのときにこのソロを吹く。世界中共通の現象である。

 ホルン協奏曲第1番はR・シュトラウスが19歳の時。そして、今回課題曲になった第2番はなんと60年後、最晩年78歳で書いている。

 私はそれを思うと、じんと胸にせまるものがある。 人生の最晩年にもう一度ホルン協奏曲を書いた。

 リヒャルトシュトラウスにとって、ホルンは親父さんの思い出を伴う、大事な楽器だったのだろう。


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