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2006年06月09日(金) |
「村上ファンドなど追及=野党4党、幹事長会談で確認−終盤国会」←全てうやむやにされた国会。/昨日の記事に追加 |
◆記事1:「村上ファンドなど追及=野党4党、幹事長会談で確認−終盤国会
民主、共産、社民、国民新の野党4党は8日午前、国会内で幹事長・書記局長会談を開き、18日で会期末を迎える終盤国会の対応を協議した。
その結果、村上ファンドのインサイダー取引事件や社会保険庁の年金不正免除問題などで政府の責任を追及。
米国産牛肉の輸入再開に反対していくことを確認した。(時事通信) - 6月8日13時2分更新
◆記事2:保管中の牛肉も輸入許可へ 米産牛で意見交換会(共同通信) - 6月1日21時45分更新
厚生労働省と農水省は1日、米国産牛肉の輸入再開問題で、消費者らとの意見交換会を仙台市で開催した。
両省は今年1月の輸入停止で日本の港などで保管中の米国産牛肉についても、輸入が再開された後、全箱を検査し問題がなければ日本への輸入を認める方針を示した。
7月にも見込まれる輸入再開の後、最初に店頭に並ぶ米牛肉になる可能性がある。
輸入停止前に処理された牛肉も日本で流通することになり、消費者の間で戸惑いが広がりそうだ。
意見交換会では、保管牛肉に関する政府方針に対して特に質問はなかったが、消費者からは米国の輸入条件順守に対する不安や、輸入再開への慎重論が多く出た。
◆記事3:耐震計算偽造:総研の立件見送り ヒューザー元社長ら起訴
耐震データ偽造事件で、警視庁などの合同捜査本部は、コンサルタント会社
「総合経営研究所(総研)」(東京都千代田区)の内河健社長(72)らについて詐欺容疑などでの立件を見送ることにした。
一方、東京地検は7日、マンション販売会社「ヒューザー」(大田区、破産手続き中)元社長、小嶋進(53)と
木村建設(熊本県八代市、同)元社長、木村盛好(74)の両容疑者を詐欺罪で、元1級建築士、姉歯秀次容疑者(48)を強度不足の構造計算をした建築基準法違反罪で起訴した。
昨年12月の一斉捜索以来の捜査は、姉歯元建築士の国会での偽証など余罪での追起訴を残し、終結に向かう。
捜査本部は「サンホテル奈良」(奈良市)を舞台にした建設代金詐欺事件を捜査し、偽装物件と知りながら引き渡した詐欺容疑で木村元社長らを逮捕、起訴した。
総研については幹部が「鉄筋量の切り詰めを指導した」とされたが、内河社長らは強度不足の認識を強く否定。
姉歯元建築士の偽装との因果関係が明確に浮かばなかった。[毎日新聞 2006年6月8日 東京朝刊]
◆コメント:今国会の初めの「4点セット」って覚えていますか?
通常国会の会期は150日と決まっている。今の第164回通常国会は1月20日に召集された。
一時、会期延長すべきではないか、という意見が与党内にもあったが、小泉首相の「会期延長はしない」の鶴の一声で、延長はなくなった。
したがって、今国会は当初の予定通り6月18日で閉幕となる。
今国会が始まったとき、野党が「四点セット」で与党を追及する、と気焔を上げていたけれども、覚えていますか?
◆「ライブドア問題」、「耐震偽装」、「防衛施設庁の談合」、「米国産牛肉輸入再開」です。
国会が始まった当初は、「ライブドア問題」。
それから、「耐震強度偽装問題」。姉歯建築士、ヒューザーに始まる、耐震強度偽装問題は、単にこの当事者だけではなく、建設業及び行政の監督責任という大問題に発展すると思われた。
また、「防衛施設庁の談合問題」は、小泉政権が始まる前から行われていた構造的汚職だった。
さらに、昨年11月ブッシュ大統領が来日して小泉首相に圧力をかけた結果、12月には早くも米国産牛肉の輸入が再開された。
輸入再開の条件には、「特定危険部位(脳、脊髄など)の除去」が含まれていた。
にも関わらず、輸入再開後、一ヶ月もたたぬうちに、肉眼ですら脊髄とわかる部位が付いたままの肉が輸入牛肉から発見され、日本は米国産牛肉の輸入を再び禁止した。
その後、輸入再開前に農水省が米国へ行って食肉処理施設を点検することが閣議決定されていたのに、それを実行していないことが発覚した。
小泉政権は極めてヤバい立場に立たされた。これらの問題に関して民主党は徹底的に与党を攻撃するはずだった。
◆堀江問題の本質は闇に消えた。
ところがその審議を本格化しようとした矢先、元ライブドア社長、堀江貴文が証取法違反容疑で逮捕された。
堀江氏本人の容疑は相場操縦、風説の流布に始まり、後に有価証券報告書虚偽表示(粉飾決算)だが、
東京地検の本当の標的は、彼の背後にいる「ブラック社会」にあると言われていた。
いくつあるのか全貌がわからない「ファンド」を通じた経理操作で得た利益が、闇の社会つまり組織暴力団関連に流れているはずで
さらにその先には政界の大物がいるというもっぱらの噂だった。
しかし、事件の最も核心部分を知っていたと思われた、ライブドア関連会社(エイチ・エス証券)の副社長だった野口英昭氏の「自殺」により、真相は分からなくなった。
野口氏の自殺は1月18日だが、自殺だったのかどうか、非常に疑わしい。
ところが、検屍しようにも沖縄県警が野口氏の遺体をさっさと火葬してしまったので、他殺だという証明は永久に出来なくなった。
因みにこの件については、立花隆「メディア ソシオ-ポリティクス 第72回 堀江被告の保釈・幕引きで闇に消えたライブドア事件」 に詳しく書かれている。
◆ホリエモン騒動に加えてメール事件で「耐震偽装、米国産牛肉、防衛施設庁」は消し飛んだ。
とにかく、堀江逮捕の大騒ぎで、耐震偽装問題や、防衛施設庁の問題、米国産牛肉輸入問題はニュースの片隅にも上らなくなった。
このタイミングが実にできすぎていて、単なる偶然とは思えない。
それに加えて、国会を数週間空転させた、民主党永田議員による「偽メール」問題で、スッタモンダの大騒ぎとなった。
今国会の会期当初は、完全に民主党が攻勢、自民党が守勢に回らざるを得ないというのが大方の見方だったが、
これらの「あまりにもタイミングのよい、事件・スキャンダル」で攻守は逆転してしまった。
◆怪我の功名。
しかし、メール問題の結果、民主党代表が百戦錬磨の小沢一郎氏に交代したことが、「怪我の功名」となった。
メール問題の余韻がさめやらぬ4月23日に行われた衆議院千葉補選では、自民党が油断した。
民主党代表に就任したばかりの小沢代表は、「選挙の神様」、田中角栄の弟子である。
地道に工場や労働組合の幹部やら、人口数百人の村にまで足を運んだ。
民主党の太田代表については、自民党が「キャバクラ嬢」経験があるという「スキャンダル」でつぶすつもりだったが、本人があっさり認めた事が好感をもたれた。
自民党の誤算であった。
あれだけ、「メール問題」で日本中から叩かれていた民主党に自民党が負けたのは、有権者の意識が若干変化した、
つまり、「あまりにも自民党に調子に乗らせてしまったかな?」という思いを象徴しているモノかも知れない。
数の論理でいけば強行採決が可能だった「共謀罪」も結局、継続審議(秋の臨時国会で審議する)になったことも、興味深い。
そうは言っても、自民党は衆議院で絶対安定多数議席数を確保している事実に変化は無い。横暴を通そうと思えば何でも出来る。油断は禁物である。
◆記事2を読んで下さい。輸入禁止前に輸入され、保管されてる牛肉を売ろうというのだ。
政府は今月下旬に小泉首相が訪米する際、「手みやげ」として「米国産牛肉輸入再開」を決めるつもりだ。
一体何処が、どう改善されたのか、つまり、「もう、米国産牛肉は安全だ」と判断する根拠が、さっぱり分からない。
それに加えて、今年一月、「特定危険部位発見」前にすでに日本に到着していた牛肉は、今も冷凍保管してあるのだが、
このたび「米国産牛肉輸入再開」が決まったら、まず、それをマーケットに放出しようというのである。
たとえ、それらの肉に特定危険部位が発見されなかったとしても、そういう「ケチの付いた」食品は、廃棄するべきだ。無神経である。
◆「耐震偽装問題」の捜査はもうおわりなのだそうだ。
姉歯建築士、木村建設、ヒューザーは「氷山の一角」である。
要するに問題の本質は建築基準法を改正し、民間検査会社による強度検査で良しとした、国の政策にある
(因みに、建築基準法改正もアメリカの年次要望書に従った決定である。詳しくは「拒否できない日本」を読んで下さい)。
とても、この一連の出来事が全てとは思えない。
「パンドラの箱」を開きかけたところで、無理矢理、力ずくでまた、箱を封印してしまった。
多分、検査をすれば、日本中至る所、耐震偽装された建物が乱立しているのだろう。
それが公になったら、日本政府の責任はただごとでは済まないから、政治的圧力で捜査を打ち切らせたのだろう。
◆国家の目くらましに騙されてはいけません。
このように今国会を振り返ると、どうも、おかしい。余りにも、タイミングが良すぎる。
「耐震偽装」で証人喚問と言っている最中に「ホリエモン逮捕」。
「ホリエモン騒動」は「メール事件」でうやむや。
「村上ファンド」や、「秋田の男児殺害事件」でテレビが騒いでいる間に、日本政府は、勝手にアメリカから牛肉の輸入を再開しようとしている。
耐震偽装は、見て見ぬふり。
防衛施設庁の談合問題など「そんな話もあったね」という程度。
奇妙なのは、全てのテレビ局が「村上ファンド」と「秋田県の殺人」ばかり取り上げることだ。
その間に、あの大事件、耐震偽装に関して、記事3「総研の立件見送り」は影が薄い。
米国産牛肉がどうなっているか、皆わすれているだろう。
どうして、このような重大項目を殆ど報じないのでしょう。全ての局が。偶然でしょうかね?
◆昨日の話ですが:「20歳を過ぎてから九九を覚えて、大学で物理を専攻した話」は読売新聞地方版に載っていました。
昨日、人間の可能性という文章をかきましたが、
今年の3月、読売新聞中部版がこの人物を取り上げていました。ウェブキャッシュ保存サービス「ウェブ魚拓」を使いますので、2回クリックしていただくことになります。
まず、37歳異色の新米教師をクリックして、
そこで現れるリンクを再びクリックしてください。以前、一度説明したし、ご存知の方も多いでしょうが、
ウェブ魚拓はWebページのキャッシュを保存するサービスです。元の記事が削除されてもリンク切れになりません。
それは、さておき、昨日の日記のでお断りしたとおり、
昨日は私の記憶だけを頼りに書いたので、やはり、記憶違いがありました。
まず、この男性がアインシュタインのビデオを見たのは、定時制高校を受験する前でした。
アインシュタインのことを知ってから、物理学を演りたい、そのためには、まず高校に入らなければ、と考えたのでした。
また、「名大で4年間、物理学を修めた」という意味のことを書きましたが、実際は大学院まで行って、素粒子論を学んでいます。
いずれにせよ、素晴らしい話なのですが、事実と異なることを書いたので、訂正させていただきます。
2005年06月09日(木) <日本語の語彙力>私大生の19%「中学生並み」←対策を提言しなければ、意味がない。
2004年06月09日(水) <米大統領>ジェンキンスさんは「脱走兵」との認識を強調 大統領。確かあんたは、兵役逃れでしたな?
2003年06月09日(月) 池田小児童殺傷事件から早や2年。
2002年06月09日(日) 向精神薬