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re-invention



 光と陰

宿泊したビジネスホテルは,大会関係者がたくさん宿泊し,
朝食は,何と6:00からとのこと。
倍近い料金を払っているのに・・と思っても仕方がない。
駅周辺にはたくさんビジネスホテルがあり,
再考すべきだったかも。
このあたりも,慣れているかどうかの差。
5月に会場を下見していたT中の先生の行動にも,うなずける。
本当にここで勝とうと思っていたら,
そのぐらいのことは当たり前か。

雨模様とのことで,今日も車を借りることにする。
練習会場では,どこも熱の入った練習。
先(せん)を取るやり取りを熱心に練習している様子を見て,
こんな練習が自然にできるチームになりたいものと思う。

会場では,全中ならではの売店もたくさん出ている。
自分が中学時代だったら,あれもこれも欲しがったことだろう。

受け付けを済ませ,検量。しばらくすると監督会議。
48都道府県の監督が一堂に会すると,大きな会議室も狭く感じる。
これまでの大会とは,違った趣。
「感謝と謙虚」
「真剣勝負の中だからこそ礼を重んじること」
「公明正大であること」

反則についてのルールが変わり,実は細部に問題点はあるのだが,
そのことにとらわれず,
一番基本的なことを大事にする姿勢は学びたい。

早めの弁当を食べ始めたところで,応援の生徒が到着とのこと。
たくさんの生徒保護者に来ていただき,有り難い限り。
個人戦ながら,決して1人の力でここまで来たのではない。
本人の努力もさることながら,
支えてきてくださった多くの方々のお陰に他ならない。
とはいえ,こうして応援に来てくれたメンバーが,
それをどこまで感じられるかは,互いの関係の証。
一体感を感じさせ・感じられるような取り組みが
ここまでできたかどうかによる。
両方の思いが一致できるチームであったかどうか。
団体で,みんなで勝つことを目標にしてきたから,
そこまでを考えてチームを作ってきたわけではないし,
スポットライトを浴びる者の光が強ければ強いほど,
陰になる者の意識も強くなる。
混雑する狭い通路から,
どんな思いで入場行進を見ていたのだろうか。
晴れの舞台ながら,複雑な思いで行進する。

サポートで4日間付き合ってくれる生徒には,
「出られないのは残念だけど,
 こうして来て支える立場を経験することが,
 きっと大きな財産になる」
と話をする。

試合前の待ち時間も,この一撃に賭ける思いが伝わってくる。
緊張してはいけないけれど,ただリラックスしていてもダメ。
こういう場をたくさん見てきたが,
集中を高めながら,自分をコントロールする
ルーチィンを作っておきたい。
お世話になっているコーチとも,話をする。

延長が続き,試合進行が遅れる
何を話したらいいのか,話してはいけないのか。
今の自分にとっての精一杯で,最後のアドバイス。
「攻める剣道をしよう。」

待ちに待った初戦。
それでも,時間の経過はものすごく速いように感じる。
2階席から大きな拍手が聞こえ,うれしいもの。
相手を見て手数が少ない相手に対し,
思い切りの良い小手と面で圧勝。
相手がいて成り立つ競技。
大きな舞台に慣れているかどうかの差は大きい。
応援の生徒たちはバスの時間の関係で,ここで退場。
どんなにか,次の試合を見たかったことだろう。

3回戦は,あこがれの新潟T中。
2月の錬成会で激しい練習を見て以来。
ここでも積極的に攻めて,惜しい打ちがいくつも。
前半1分ほどで下がり胴を取られるが,
その後もいい攻め。我慢とタメのある中での打突。
もう一息ながら,タイムアップ。
こういう終わり方ができる彼女は幸せ。
これで満足してしまうのか,
満足できないと言えるの差は大きいと解っているが,
少なくとも自分は満足している。
この夏の個人戦での,初の敗戦。
どんな思いだったのだろうか。

その後も,白熱した闘いが続く。
4回戦を終了し,思ったほど九州勢が残っていないとこを知る。
団体戦出場チームは,明日の団体戦を前にどんな思いなのか。

郵便局で切手等を購入して,宿へ。
夕食は8時過ぎとのこと。
感動が冷めないうちにお礼状を書かせることに。

2007年08月21日(火) トンボと戯れて
2006年08月21日(月) アイデンティティーを示すこと
2005年08月21日(日) 残り少ない夏休み
2004年08月21日(土) 甥とVoyageで数楽


2008年08月21日(木)



 縁の下の誇り

今日も朝から静岡駅へ。
この夏の移動距離は,おそらく過去最高。
元気な生徒と共に,富山県砺波市へ。
米原までの新幹線に比べて,特急しらさぎは時間が掛かる。
新幹線を熱望するわけを,利用してみて感じる。
駅からはレンタカーで。
大会会場の下見と,離れた場所にある練習会場を下見する。
明日からの大会に向けてのリハーサルで,
たくさんのボランティアの中学生が動員されている。
どの生徒も,元気なあいさつを返してくれ気持ちいい。
大きな大会を,1人1人の心で支えようとしている姿勢,
岐阜での錬成会でも感じたものに通じる。
おそらくは,県内の剣道部の生徒達か。
あこがれの晴れ舞台を,一試合も見ることなく,
仕事に従事する生徒もいることだろう。
縁の下で支える誇りを持っていなくてはできないこと。
そんな心も育てていきたい。

一番近くの練習会場で,明日に向けての練習。
2人での練習は,メニューが限られる。
幾つかの学校の練習を見る。
強豪校もいるが,決して敵わない相手ばかりではないことも知る。

たかが素振り,されど素振り。
一振りに賭ける思いの強さ。
同じ中学生,おそらくは2年生か。
決して飛びぬけた筋力やスピードがあるわけではない。
けれど,はっきりと違うものがある。
一本に賭ける思い。
何としても日本一になるのだという強い意志からの振りは,
このぐらいでいいやという妥協がない。
振りに魂が入り,結果として大きな差になっていくのだろう。

帰りに2つの駅を下見する。
一つは無人駅で,タクシーは当然いない。
もう一つの駅も,閑散としている。
一時間に一本あるかないかの電車が頼りで,
ホテルまでのアクセスの悪さは何とも。
明日以降の移動が思いやられる。

夕飯までの時間に,古城公園を散策。
思いがけず西村公望氏の観世音菩薩を拝観。
高岡は,前田利長公の居城があったことところらしく,
利長公をお祭りするものがいくつか。

緊張感の中,明日に向けて,今日は早めの就寝。

2007年08月20日(月) 大自然の中で戸惑う
2006年08月20日(日) 夏の大地を行こう
2005年08月20日(土) メディアとのつきあい方学習セミナー
2004年08月20日(金) SPP事業 2日目


2008年08月20日(水)



 学び合いを学んで

いつもより随分ゆっくり起床できるのは,上原さんのお陰。
バスで行ったら,どのぐらい掛かったのだろうか。
期待していた佐藤学先生の講演は,
さすがに満席で立ち見状態とのこと。
別会場でスクリーンを通して聞かせていただく。

「講演では学校は変わらない。」
講演を普段はしないわけからスタート。

「授業を3000時間ぐらい見たあたりから,
見えるようになってきた」
と言われると,
自分はおそらく100時間も見ていないことだろう。
1年で600時間ぐらいは授業をしているのだから,
もう10000時間ぐらいは授業していることになる。
その割には上手くないのが恥ずかしい。
「自分ぐらい学校改革を失敗してきた者はいない」
と言えるのは,今はそうでない自信があるから。

「1人残らず,すべての子どもの学ぶ権利を保障する。
 そんな野望が,本当に可能なのです。」

繰り返される力強い言葉。
混迷の日本において,すがりつきたくなる存在のお1人。

「研究紀要のような文を読んでも
 その学校のことがわからない。信用できない。
 だから,教師にはだまされません。
 子どもたちや教室の事実からは裏切られたことはない。」
「授業が見えるかどうか,
 これは職人芸的なことがある。」

さすがに痛いところを突いてきている。

これまで自分は発表を重ねているが,
そんなにうまくはいかない。
失敗を山ほどしている。
だからこそ,朝露のようなきらめく一滴の光が見えたとき,
これを広げていきたいという一念で,
ここまで来ているのだと思う。

学び合いに関しては,
馬場先生のメールの内容がそのまますとんと落ちる話。
わかっているようでいて,分っていなかったことがあり収穫。
「何でも自力解決から集団解決だと思っていないか。
 小グループの中で暗黙の了解のような知が生まれ,
 それをそれぞれが自分のものとして
 自分の言葉で理解していく学びもあるのだ。」

スタンドアップとは,当然のことながら違う。
でも,そんなことが生まれる瞬間を自分も見ている。
今の生徒のスタンドアップは,
一方的な教え合いではない。

小グループで,互いの持つ力を合わせて,
問題を解決し,新しい何かを生み出していくのは,
オランダのA-lympiadやB-dayのような感じか。
そんなことを自分も経験してみたい。

学ぶという字の
成り立ちを知り,
感動。
「師匠のいないところに,
 学びは成立しない。」

岡本先生のお顔が浮かんできた。

同時に,自分も
生徒にとっての師匠であらねばならないという
責任の重さを感じる。

すべてのグループで学びが成立するのか?
そのための手だては,何か?
ゴールまで到達する時間差には,どう対処しているのか?
小グループから先は,どうするのか?
といった疑問もある。
何とか本年度中に実際の授業を見ようと思う。

午後からの発表は,
学び合いをテーマにしたものが多かったけれど,
助言者を含めて佐藤学理論とは大きく異なるもの。
発表原稿は予め用意されたものとはいえ,何とも。

発表会の在り方も,さしずめ博物館並み?
どうしたら,一方通行でない関わり合いから
何かを生み出す会にできるのかを考えたい。
プロジェクター等の見せる物を使わない発表が多いのも,
この10年間が停滞した10年だったことの表れか。

ケーブルがあまりに短く困っていると,
上原さんに持ってきていただき,助けていただく。
質問が出て,二乗に比例の事例も紹介できた。
何とか責任を果たし,ほっとする。

これまで関わってきた生徒を初め,
多くの方に支えられて今がある。
歩みを止めることなく,次に向けてスタートしなくては。


2007年08月19日(日) 科学的な思考を
2006年08月19日(土) 強気で勝負できるのは
2005年08月19日(金) 現実に戻って
2004年08月19日(木) SPP事業 1日目


2008年08月19日(火)
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