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■ 「学びの共同体」が見えてくる
テスト2日目。 2時間のテストの後で,総合。 来週からの職場体験前の確認。
昼から富士のM中学校の校内研修会へ。 この学校へ来るのはおそらく4回目。 今日の授業を見て,ようやく 「学びの共同体」の目指す授業がはっきり見えてきた。 それは,自分の今の授業を大きく否定することでもある。
まずは,課題について。 課題に対しての思いが年々薄くなっていった。 課題を工夫することでは,生徒を惹きつけられないと思ってきた。 結局は,生徒同士の関わり合いの中でしか生徒をつなぎ止められないと思ってきた。 でも,そうではない。 やはり面白さがあるから,やりがいも出る。面白さもある。 関わり合いだけでは駄目で,できることは何でもやらなくてはいけない。
今回の課題は,なかなかハイレベル。 「連続する10個の整数の和は,どうなるか。」2個や3個ではない。10個か・・・ 法則を見出すのも,難しいのではないかと思ったがそうではなかった。 知的好奇心を揺さぶられると,大きく変わるのだ。
そして,関わり合いを大事にすると言いながら, 生徒の作る空気を感じることに欠けていた自分の授業。 呼吸を合わせるような,そんな感じを大事にしていかなくてはと思った。
生徒の様子を語り出す,教師が本当にたくさんいる。 「知的好奇心が高い子たちなんだと思った。 もっと課題を工夫しなければと思った。」 それぞれの生徒の関わりや良さを語っている教師。 自分が見ていたのは授業の展開,言うなれば,教師の視線。 でも,ここの先生たちが見ていたのは生徒の様子。生徒の現れ。 「生徒の良さを認める」といういつも大事にしているはずの言葉が, 実は自分にとって,ずいぶん上辺のことだったことを知り, 恥ずかしい限り。
佐藤学先生の語りは明快で,時折見せてくださる笑顔もいい。 学び合いは話し合いじゃない。 教師は,まず自分の意見を持ってから・・・と思いがちで, すぐに人の意見を聞いてしまうのを嫌う。 でも,依存できない子は学べない。 依存できることを教師は嫌うが, それで結果としてクラスがバラバラになる。 だからいつまでもわからない子を,放っておくことになる。 5分与えても,できる子は時間の無駄だし, できない子はやっぱり時間の無駄。 いいことは1つもない。それなのになぜ先生たちは一人でやらせるのか。 一人でできるのは,大人でもかなり難しい。 自分の中で対立軸を作るのは難しい。 僕らは研究者だからそれができるけれど。 書く子は,分かり切ったことを書いているだけで,深まらない。 一人で探求なんてあり得ない。 学生や大学院生でも無理。ましてや中学生では。 それをやらせようとするのは,教師の自己満足だ。 学びとは学び合い。他者の力を必要としている。
なぜ,今日の学びができたのか。その要素はなぜだと思いますか? 明日からでも是非やってみてほしいことがある。 それは,いらない言葉を一言も言っていないことだ。 教師の言葉が多いと,子どもがだれる。 今日の先生の言葉は,全体の1/5ぐらい。 普通は,先生がしゃべりすぎる。 よっぽど内容のある話でないとだれる。 決してテンションが高くないが,無駄がない。 それは教師が無駄話をしていないから。 生徒がなかなか集中していないのは,その逆。 授業冒頭から先生の進めることに生徒がからんでいる。 でも先生は応答しない。たんたんと進めている。 自分の言うことをきちんとさせている。それができている。 ぜひやってほしい。それをやらない限り, 気になる生徒に振り回されて終わる。 課題が易しすぎると,誰も付いて来ない。 それでもやる生徒には育っていない。おっと言わせよう。 最初の10分で。ごちそうを最後に出されても誰も食いつかない。 ごちそうは最初に出せ,学びが育っていない子には特に。 最初から課題。 学び合い,最初は5分,次が10分,最後は11分。 できれば2/3ぐらいにしたい。 先生の説明や全体での確認は減らして,じっくり考えさせたい。 課題さえしっかりしていれば,集中する。 是非挑戦してみてください。 課題が優しすぎるのはだめだ。 学力が低い生徒ほど,優しすぎることはだめだ。 考える内容があることでないと。 難しいことではなくても,意味のあることを。 最初から復習の授業では駄目。 一番最初の10分は,黄金の10分。 ひどいのになると,ミニテストをやったりしている。 テストやるなら,最後にやろう。できなさを痛感させている。 知らず知らずに子どもをつぶしている。 最初の7分以内に学び合いを入れる。 そうでないと1/4の生徒はついて行けなくなり, わかったふりをする。 わからないと言えない子が,最後には出てきた。 他の子も,立派。問われたらちゃんと答えていた。
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2011年05月19日(木)
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