白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2011年12月08日(木) 母との関係。

今日の大阪は朝から雨。しかも冷たい雨。そんな中、実家の母の買い物のお付き合いで地元のショッピングセンターへ行ってきた。

「実家の近くに住んでいます」と言うと、まずもって「いいわねぇ。お子さんをおばあちゃんに任せたり出来るしね」と言われるけれど、私の場合、実家の近くに住んでいると言っても「実家に甘えるため」ではなく「そうせざるを得なかった」からに過ぎない。実家の母は持病もあるし足も少し不自由なので、色々な意味でサポートしないわけにはいかなかったのだ。

突然話は変わるようだけど、今、辻仁成の『愛をください』という小説を読んでいる。書簡小説で登場人物に「母親を置いて家を出ることが出来ないので、恋に飛び込むことに憶病になってしまう」という青年がいる。性別こそ違うが独身時代の私の姿と重なって、必要以上に肩入れして読んでいる。

独身時代は恋愛に対して憶病だった。恋愛に淡泊なことに加えて「この人と仲良くなっても踏み込んだ付き合いは出来ないしなぁ…」と自分にブレーキをかけていた。もっとも「自分にブレーキをかけていた」と素直に言えるようになったのは最近のことだ。自分に勇気が無かったばかりに、叶わなかった恋があったような…なかったような。後悔や悔いが1つも無かったと言えば嘘になるけれど、今では「何もかも全てをひっくるめての私なんだ」と思えるようになった。

結局のところ私は家族を捨てて自分本位に生きることが出来なかった。それは私の弱さでもあり、強さでもある。家を出て好きな人と一緒に暮らすなんてことは、心のどこかで諦めていたのだけれど、そんな私に踏み込んできてくれたのが夫だ。夫の実家の近くで暮らすことを賛成してくれて、結婚後も何かにつけて実家の母を大切にしてくれる。ただ、ただ感謝。

今日は半日ばかり、内心でうんざりしながら母の買い物に付き合っていたら、色々なことを思い出してしまった。私と母は表面上は上手くやっているけれど、相性の良くない母娘で長く一緒にいると草臥れる。実家に帰って「やっぱり実家は落ち着くわぁ」と思ったことはなく、実家より自分の家の方がずっと好きだ。

いつか、娘も私のことをそんな風に感じるようになってしまうのかなぁ……なんて事をふと思った。

今は「お母さん大好き」と言ってくれているけれど、成長したら色々と変わってくるだろう。仲の良い母娘に憧れるし、自分は娘が大きくなっても頼れる母でいたいと思うのだけど、そう出来る保証はどこにもない。先のことを思い悩んでも仕方が無いので、とりあえず今はこの幸せを大切にしよう。

……と、まぁ1人鬱々と考えたりしつつ、今日も無事に1日が終わろうとしている。明日はFの家に遊びに行く予定。Fと前に会ったのはFが入院した時だったから夏頃のこと。久しぶりだし色々話をしてこよう……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


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