お正月から風邪でダウンしていたため半月ばかり家に引き籠っていた。
2歳3ヶ月の娘はどちらかと言うと体育会系人間のため、生まれてこの方、暑くても寒くても外遊びをしていて「1日中、家にいるなんて考えらない」という暮らしを続けてきた。しかし、育児支援スペース等で会うお母さん達の中には「外遊びは数日に1回かな」なんて人も少なくは無い。もっと凄い人になると「買い物以外、ほとんど引き籠ってます。今日は1ヶ月ぶりに外出した」なんて人も。私はそんな話を聞くたびに「よくそれで親も子もストレスが溜まらないものだなぁ」と毎度不思議に思っていた。
妊娠中も切迫流産で自宅安静の経験があったのだけど、あの時は色々な意味で不安定だったから引き籠りを楽しむような余裕はなかったが、今回のような形で、引き籠ってみると、引き籠り生活って慣れてみると案外楽ちんなんだなぁ……ってことに気がついた。これは私にとって大発見だった。
最初のうちは「ずっと家にいるなんて鬱々とするなぁ…」と陰気な気分に襲われたりしたものだけど、親も子も慣れてくると人と会わない生活が存外平気になってくる。娘はともかく私の方は「娘がこれで良いなら、こういう生活も悪くない」とさえ思う始末。
よくよく考えてみると外に出て人と接触するって行為は疲れを伴うものだ。相手に気を使ったり、相手から気を使われたり。楽しいこともある反面、それと同じくらい嫌な目にもある。笑うこともあれば、ひそかにイラっとすることも。外に出るってことは楽しみであると同時に、自分の中にある大切な何かをすり減らすことでもある。
それに引き換え、家に引き籠っていれば、ものすごく面白いことにぶつかることは無いけれど、外部からのストレスは皆無だ。慣れてしまえばパラダイス……と言えなくもない。
勿論、私も分別のある大人なので、引き籠りの生活は私にとっても娘にとっても良いはずは無いってことくらい分かっている。特に成長期の娘は外に出て遊んだり、人と接触する中で学んでいくことが多いのだ。家に閉じ込めておいて良いはずが無い。
そんなこんなで体調の回復と共に引き籠り生活には別れを告げたのだけど「引き籠る」ことについて違う見方が出来るようになったのは大きな収穫だった。今まで「プチ引き籠り」な感じのお母さん仲間の話を聞いても全く理解出来なくて、半ば異世界の話を聞くようなノリで聞いていたのだけど、これからもう少し親身になって話を聞くことが出来るような気がする。
「私って実は引き籠りに向いてるかも」って気づいたのも大きな発見だった。これは、意識的に気をつけておく必要があるかも。ちょっと方向を間違えると人間って、簡単に流されてしまうものだから。
そうこうしながらも、これまでの生活に戻って来たのだけれど、この2週間は、身体的にはしんどいながらも貴重な経験だったなぁ……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。