白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2009年10月27日(火) お母さん劇場

娘2歳0ヶ月。イヤイヤ期最前線の娘との生活は大変と言えば大変だけど、毎日楽しくて仕方がない。プンスカ怒ることも多いが、なんだかんだ言って可愛いので頑張れてしまうのだと思う。だが、そんな生活の中で、けっこう深刻に困っていることもある。その1つが娘の偏食だ。

偏食すると言っても「食べないのは仕方ねぇ」と見逃すつもりはサラサラ無い。微塵切りにして味噌汁に入れたり、ご飯に混ぜたりして、たいていの物は大人と同じ食材を食べさせている。だが、いつまでも「分からないから食べている」では困るので、時折「それ」と分かる形で食卓に乗せるのだけど、その場合は食べさせるが半端無く大変。

褒めてみたり、脅してみたり。様々な手段を用いて娘の口を開けさせようとするのだけれど、なかなか上手くいかない。が、最近高確率で食べてくれる方法を見つけた。それは「お母さん劇場」だ。娘が嫌がる食べ物の絵を描いたり、あるいはズバリそのものを娘の前に持ってきてお芝居さながらに語り聞かせるのだ。

今日は食卓にキャベツが丸ごと登場した。

「このお料理の中には僕の仲間がいっぱい入っているんだ。食べてくれないと悲しいなぁ」
「僕、食べてくれなかったら冷蔵庫に帰らなきゃいけないんだ……さぁ、大きくお口を開けておくれよ」
「ありがとう! パクパク食べてくれて嬉しいよ。僕たち、これで仲良しになれたね」

……などと、超本気モードで娘の前で芝居をするのだ。今日も娘はキャベツに頬ずりしたり、キャベツを「いい子。いい子」と撫でたりしながら、最初は嫌がっていたキャベツをパクパク食べた。もっとも、このお母さん劇場が通用するのは、食わず嫌い等の経度な「いやいや」にしか通用しないのだけど、娘は面白いほど口を開けてくれる。娘が産まれるまでせっせと通っていた「演劇鑑賞」の趣味が、こんなところで役に立つとは思いもよらなかった。

それにしても娘はいつ、キャベツや茄子は喋らない……ってことに気が付くのだろう?

このお母さん劇場が娘に通用するのは今だけなのだろうなぁ。娘がお母さん劇場を見て「馬鹿にしないでよ」と思う日まで、私はガラスの仮面の北島マヤのように、せっせと野菜や肉を演じ続けるのだろうと思う。願わくば、娘がお母さん劇場を見なくなる日までに偏食が無くなっていて欲しいものだ。好き嫌いせずに、なんでも食べてもらいたいなぁ……って事で今日の日記はこれにてオシマイ。


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