地震や津波が起きてこの三ヶ月の間、 大量の死者や死者を身近にもつ者のことばかり考えていたのに、
あろうことか、身籠っていた。 情けないが、完全に想定外の出来事である。
これはこれで、うろたえるに相当する事態なのだ。 我が家では、緊急対策本部が設置され、会議が重ねられた。
こんな高齢で、ちゃんとお産ができるのだろうか。 新しく着手した仕事は、きっと失うことになるだろう。 継続していた仕事が継続できるか、まったくわからない。
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出産育児というのは、そもそも社会経済活動に馴染まない。 仕事の関係はご破算にされ、計画変更を余儀なくされ、効率も落ちる。
周りの者は、まったく仕事と関係のないことで、余計な手間隙を押し付けられる。
こんな迷惑を繰り返す輩は、できれば組織に居てくれない方が良いし、 重要な仕事をまかせるわけにはいかない。
スポイルされても、仕方ないのだ。
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あらゆる心配事を書き連ねて、もう心配するのをやめることにした。
命は、命からしか生まれない。 運命だと思って、この身体をもう一度、命を育むことに使おう。
そのことに集中しなければ、 出産という「反社会的行動」は成し遂げられない。
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