果たして、 人は変われるのか。
其れとも、 人は変わらぬのか。
其の何方も真で在って。
其の双方とも、 偽りなのだけれど。
其れならば。
変移や真偽を差配する想いは、 如何で、 形作られるのだろうか。
恐らくは、 其れが。
俺を好きだと想い続けた、 其の源だから。
「あのね。」 「禁句かもしれないけれど。」
そう迷いながら。
あの子は、 口を開いてくれたんだろう。
けれども、 其れは。
自身が、 上手く行かず。
半ば、 自棄に成っていた刻に。
永く患い、 もう逢えぬのだと。
あの子が、 姿を消して居た間に。
変わり、 失って了った物に。
他ならないのだ。
「前の小坊主ちゃんは。」 「もっと柔らかかった。」 「頭が固くなったよ。」
或いは、 其れも知った上で。
敢えて、 刃を放ったのかも知れない。
あの子が、 俺を想う其の幹が。
俺には、 もう無いのだと。
---------- References Jan.04 2015, 「強く想える刻ですか」 Apr.20 2013, 「初めて繋がった日に為るのでしょうか」 Sep.18 2012, 「見て居なかったのだと斬り付けるのですか」
|