雲間の朝日に想うこと


< 嵐に喧嘩を売れますか >


季節を彩る躑躅や蒲公英。

季節を先取りする、
蒸し暑い日と雨と蝸牛。

季節外れの虫の音。





妙な雰囲気を産み出す、
全ての元凶は。

熱帯の空気を衣に纏った風神様。










再び起こるのか。
再び足止めを喰らうのか。

其れ以上の、
貴女の元へ辿り着けぬと言う事態が、
起きるのか。






















飛べよ。
飛べよ。

そして必ず地に降りろ。


ただ地に降り立てば、
其れで良いから。




貴女との逢瀬を邪魔する奴は、
神であろうと許さない。










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References
 Mar.01 2003, 「これが神が与え賜う褒美ですか」


2003年05月31日(土)


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History
2002年05月31日(金) 放っておけますか



< 腹を括り終わったか >


決戦と称すれば、
刺々しさが強過ぎる。


だが対面と称してしまえば。

生々しさと、
潜んだ厳しさが、
陰に隠れて霞んでしまう。





平然として、
困難と向き合わねばならないのだ。

当然の様に、
柔らかく振舞わなければならないのだ。


決して内なる緊張を見せずに。













俺と貴女と二人で、
打てる手は打ち終わった。

肥料を撒いて、
土地を耕して、
後は種を蒔き、
出芽を待つだけじゃないか。



残るはただ、
俺が腹を括るのみなんだ。
















ただ一言、
あの人は言った。

不安を見透かしたかの様に、
あの人は言った。




 「器の大きさが問われるわね。」






人当たりの良い、
あの人自慢の美声は。

凛として厳しく、
相も変わらず的確な援護射撃だ。


2003年05月30日(金)


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History
2002年05月30日(木) 何重にも掛けた鍵をこじ開けますか



< 逞しく在りますか >


次々と届く状況報告。


 「だいぶ家の中が片づいてきました。」
 「今日はいろいろ名義変更して大変。」


目の前の雑事を粛々とこなし、
とりあえず視線が前へと向いている様な、
そんな気配と裏腹に。


 「親がアドレスそのままとっておいてくれてた。」
 「こうなるの予期してたのかなー。」


時折気配を覗かせる、
やり切れない後ろ向きの言葉。






馬鹿言うな。

手塩に懸けて育てた娘の不幸など、
誰が願うと言うのだ。



逞しく在れ。

ただ逞しく在れば、
きっと道は開けるのだから。















落ち着いた頃を見計らって。

いや、
直ぐに落ち着く事など、
あろう筈は無い。


一服して居るであろう頃を、
見計らって。




沢山の気配りと、
心配性をさり気無く詰めた文を、
君に送った。


 「元気か?」
 「へこたれてない?」













そして。

君のメールの署名から、
苗字が消えた。










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References
 May.09 2003, 「仲間の輪はもう縒れませんか」


2003年05月29日(木)


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2002年05月29日(水) 実現しますか



< こんな風な子で正しいですか >


俺の心中と同じ様に。

対面の時が迫るに連れて、
子供の胸の内も、
期待と好奇心と不安と危惧と、
様々な想いが去来しては消えて行くのだろう。




どんな男か。
好物は何か。
嫌いな食べ物は何か。

何をしているのか。
どんな物が好きか。


貴女と小さな彼との間に、
徐々に形作られて行く俺の姿。



 「あのね・・・」
 「夢に小坊主が出て来たの。」



貴女では無い。
小さな彼の夢。

遂に俺は、
小さな彼の枕元にも姿を現したんだ。




その夢に出た俺の顔は、
貴女が描いた、
下手な画の顔なのだろうか。

俺は画と似ていないと、
彼からそっぽを向かれないだろうか。


不安感が俺の中から消える事は、
決して無いけれども。



















きっと彼は、
俺と共に画面に向かう姿でも、
想像していたのだ。


 「あのね・・・」
 「夢にドラクエが出て来たの。」












素敵だね。


小さな彼も、
想いを形に出来る子なんだ。

貴女に良く似た感性を持つ、
素敵な子なんだ。







少しだけ、
小さな彼に触れる事が出来たと、
初めて想えた。






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References

 Apr.09 2003, 「想いは守護神に成り得ますか」
 Jan.14 2003, 「夢も形に出来ますか」


2003年05月28日(水)


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History



< 少しで良いから成長出来ますか >


繰り返しても、
繰り返しても。

少しずつ、
少しずつ、
形が変わってさえいれば、
其れで良い。



繰り返しても、
繰り返しても。

少しずつ、
少しずつ、
想いが深まって行けば、
其れで良い。







人は過ちを繰り返す生き物だから。


善悪を理解しても、
優劣を判断出来ていても。

吸い込まれる様に、
悪魔に魅入られたかの様に、
想いとは逆の負の選択を採る事があるから。





だから少しずつ少しずつ、
互いの距離を縮め互いが成長を遂げれば、
其れで良いと想うんだ。

過ちなど、
何時の間にか消えて失せるだろう。













 「また繰り返しちゃったね。」
 「ごめんね。」


貴女の言葉を何度聞いても、
俺は別に何とも想わないけれど。







 「ごめんねばかり聞き飽きたよね。」
 「何時か捨てられちゃうよね。」


この言葉は、
何度も何度も聞きたくは無い。


 「そんな事無いよ。」


などと答える気も無いし、
この解答が、
真に貴女を救う物だとも想えない。












努力を止めて、
縋る事だけ考えているならば。

きっと貴女の想いは現実化する。



俺はそう想うよ。


2003年05月27日(火)


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History
2002年05月27日(月) 今更わざわざ言う事ですか



< 無事なら良いと想えないのか >


繋がらぬ電話。
届かぬメール。

自身の状況すら伝える事を許されず、
途方に暮れる。



次々に届くメール。
次々にかかる電話。

友人や親類からの便りは在れど、
貴女の声は無い。




焦りと共に、
貴女が錯乱してやしないか、
不安感も高まる。















何度も何度も接続を試みて。


 「無事です。」


僅か五文字の文を、
漸く貴女の元に届けた時。

俺の周囲で起きた物事を、
貴女は頭の片隅にも置いていなかった。






貴女から、
貴女の家から、
俺の携帯に電話しろと指示して。

現状を把握して、
少しでも可能性の高い方法を、
貴女に指示して。



 「地震大丈夫だったの?」
 「無事だよ。」

 「揺れなかった?」
 「揺れた。」

 「大きかったよね。」
 「荷物は全部崩れ落ちた。」


やっとの想いで、
貴女の声と束の間の安心感と幸せを、
手に入れたけれど。













其処まで俺は、
貴女を想う必要もなかったのか。




崩れ散乱した荷物の山を、
片付けながら。

漠然と浮かび来る寂寥感を、
どうしても消せない。


2003年05月26日(月)


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History
2002年05月26日(日) 無駄な抵抗は止めませんか



< 弱音の吐き合いなのでしょうか >


俺は何を答えたか、
良く覚えていなかった。



暫くの時を経て、
妙な違和感を覚えて、
初めて其の事実に気が付いた。


貴女から届いた文を見て、
初めて其の事実に気が付いた。


 「困ったちゃんの相手もしなきゃいけないし。」
 「困らせない様に気を付けるから頑張って!」


何の脈絡も無く、
突然湧いた言葉達。

貴女の振る舞いが困るなどと、
口にした覚えは無いのに。











無意識の弱音。


 「頑張りたく無い。」


貴女から届く定時便に対して、
馬鹿正直な弱音を俺が吐いたから。


貴女は自分の身を、
そっと俺の視界から消そうとした。

俺の負担にならぬ様に、
固まった儘動かぬように身を潜めた。











けれども。

どちらが大切か、
俺はどちらを望む男か、
既に貴女は理解している筈だ。




貴女が俺を欲した時は、
少しで良いから動いて欲しい。

そう願っている事を、
既に貴女は理解している筈なのだ。



だから貴女は動くんだ。















 「ごめん。」
 「愚痴っちゃった。」



謝罪は必要無いよ。

貴女の愚痴は、
俺の活力だって知ってるでしょ。



だから、
時々俺の弱音にも付き合って。

其れは決して、
貴女の活力では無いけれど。


2003年05月25日(日)


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< 消して消えない旋律でしょうか >


仕事場に鳴り響いた着信音は、
一斉に周囲の目を俺へと向けたけれど。

誰一人として、
其の着信音が何を意味しているのか、
其の着信音に何が秘められているのか、
気付いた人は居なかった。



過去の曲。

既に人々の記憶からは、
忘れられかけた曲。










乱気流の様に上下する想いと、
常に疚しさを併せ持った関係が、
お互いの狂気を産んだ。


あの頃の貴女も、
そしてあの頃の俺も。

混沌の渦へ強靱な吸引力で吸い込まれる様に、
お互いを貪った。



過去の曲。


悲劇と喜劇、
道徳と背徳、
冒険と危険。

週に一度、
水曜日にだけ画面を通して聞こえて来る、
情事の始まりを記す曲。














貴女は呪縛を解き放ち、
そして俺は鎖を引き千切った。

闇に潜る必要も無く、
背信と非難される行為は消え失せた。



けれども。

当時感じた想いは、
当時経験して来た想いは、
俺の中に消えずに在る。









未だに貴女を告げ続ける、
過去の曲。


この先何があろうと、
俺はこの曲を忘れないだろう。






     >> It's "Effuse" that is a different BGM from your darling's memory song.
     >> I feel my sweet and painful days whenever I hear this melody.
     >> Thank you, MARICO!


2003年05月23日(金)


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History



< 名前を拒んでいませんか >


其の日の活動を始めた頃に、
貴女の文が届く。


 「おはよ〜」


貴女は一日の始まりを、
俺への想いで満たす。

そして俺は、
貴女の文字から活力を貰う。


定時連絡。

例え一方通行の便りでも、
離れた存在を確かめる大切な行事。








時として其れは、
迷いも産む。









 「小さな彼と盛り上がったの。」
 「今朝は小坊主の話で盛り上がったの♪」


唐突に発生した話題。


小さな彼と貴女は、
次々に先へと進んで行く。

俺の見えぬ世界が、
次々に形成されて行く。


 「何を話したんだよ・・・」


経験の欠如から来る自信の無さ。


其処まで苛々と心を掻き回す必要など、
何処にも無いと言うのに。

僅か一個の心理状態が、
平常心を奪いつつ迫って来る。















 「あれ?あれ?何て言ったっけ?」

 「小坊主?」

 「そうそう♪小坊主!」



逢瀬の時に、
遊びに行く場所を選んだ、
ただ其れだけの事。










俺の名前を思い出せない小さな彼が、
真の姿なのか。

俺の名前を口に出せない小さな彼が、
自ら口に出す事を拒む小さな彼が、
真の姿なのだろうか。










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References
 May.14 2003, 「独りだけ遅れているのですか」


2003年05月21日(水)


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History
2002年05月21日(火) その言葉は最後にもらえませんか



< 解れた糸が絡まっていませんか >


例え遥か離れた地であっても、
予備記憶として状況と心情を保存する何かが、
何処かに存在すれば良かったのだ。




 「今日書類提出して。」
 「今週末引越しです。」


紙切れ一枚の重みを、
自身で支え切れずに居る故に。



 「あんな男に騙されたかと想うと。」
 「自分が情けなくて自己嫌悪です。」


決して戻らぬ時を、
無理矢理戻そうと試行錯誤して、
一種の興奮状態に陥った故に。









妙な時間帯に、
珍しい時間帯に届いた、
普段より長めの文。


思慮深さを身に纏い、
未だ床に在る可能性を十分理解し、
迷惑と言う言葉も知りながら。

敢えて其れでも届けようとの意志を、
強く感じ取る事の出来る文。



 「最後まで情けない男でした。」



君の強い口調が。

別の戸棚に何らかの意図を隠した儘、
虚勢と勢いで事態を受け止めている印象を、
際立たせている様に感じた。




















啀み合いだとしても、
負の活力に満ちた離別でも。


残る想いが無ければ、
鋭利な刃物で断たれた絆なら、
安心出来る。




何故君が、
「思う」では無く「想う」を用いたのか。


何度と無く考える。










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References
 May.09 2003, 「仲間の輪はもう縒れませんか」


2003年05月20日(火)


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History



< 偶然のおはようでしょうか >


徹夜明けの気だるさを引き摺った儘で、
貴女の声を聞いたのは。

一体何時以来の事になるのだろうか。



早朝と言えども、
早起きの貴女はもう起きている。



俺から貴女を必ず捕まえられる時間帯が、
確固たる物として在る。


俺はこの安心感に何度も救われて来た。



其処に在る癒しは。

疲労感を封じ込めて、
もう一日だけ踏ん張る力を与えてくれるのだ。



















 「おはよ。」

 「今起きた・・・ありがと♪」
 「目覚まし止めて寝ちゃった。」






偶然の電話。

意図とは何ら関係の無い、
正真正銘の偶然。



結果として。

思いがけず貴女を起こす事となった俺の声は、
貴女に一日の幸福感を贈ると言う、
乙な働きを成し遂げた。

















偶然の積み重ねが、
何か大切な物を掴んだ時。



少しだけ二人が、
強く結ばれている気がして幸せだ。

二人の絆が呼び込んだ、
偶然では無く当然であるかの様な気がして、

幸せだ。


2003年05月19日(月)


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History



< 酔っていたからでは無いですか >


物理的な力と精神的な力。


どちらか一方を選択せねばならぬ時、
果たして俺は、
どちらを優先するのだろうか。

どちらか一方を選択せよと命ぜられた時、
果たして貴女は、
どちらを望むのだろうか。





人が人を支えるのに、
どちらも欠けてはならぬ物だと、
そう認識していても。


認識を想いにして相手に届けるのは、
困難を伴う行為に違いない。


そして俺は、
一方の力のみを駆使する事でしか、
貴女を支えられない。

















久々に会う友人と、
久々に楽しい時間を過ごして来たのだろう。

こんな時には必ず、
貴女の文章が軽やかに踊るのだ。



 「いろんな人にぶつかって謝ってた♪」
 「小坊主と一緒に歩いてた時はそんな事なかったのに・・・。」





去来する驚きと喜び。


貴女が隣に居る時位は、
もう一方の力で貴女を支えたい。


無意識下での想いを、
俺は形にして貴女に届けていたのか。



















いや。
違うだろう。

貴女は久々の再会に浮かれ、
周囲に対する注意力が著しく散漫なのだ。




ふらふらと道の真ん中を歩く貴女の姿。

脳裏に浮かんだ映像だと言うのに、
何故此処まで、
俺を不安な気分にさせるんだ。



真っ直ぐ歩けよ。


2003年05月17日(土)


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History
2002年05月17日(金) 心の隙間を守れるか



< 共に作り替えては行けませんか >


俺に対しての失礼は良い。


貴女を不安にして、
貴女を嫉妬させて、
貴女を惑わして。


 「大きい子より小さい子を選ぶのかな?」


この言葉が産まれた土壌は、
決して貴女だけが耕した物では無く、
俺も共に耕した土地なのだ。


自身が招いた結果である言葉は、
受け止めて省みて修正して進む為の、
試練であり糧なのだ。




けれども。

惑っている筈の子に対しての失礼は、
決して許せなかった。












貴女にも、
同じ想いをした貴女にも。

応援して欲しかったんだ。


同じ想いをした貴女だからこそ。

俺に見えぬ胸の内を駆使して、
応援して欲しかったんだ。









 「小坊主と君の間にある特別な何か」


貴女がそう表現し、
羨み妬み畏れる繋がり。

遙か昔に、
貴女が俺の中に未だ存在しなかった時に、
産まれた物。











俺はただ、
貴女を側に引き寄せて。

俺と一緒に、
貴女にこの繋がりに触れて欲しいと、
そう願ったんだ。



今はただ、
貴女を隣に引き寄せて。

俺と貴女で、
この繋がりを作り替えて行きたいと、
そう願っただけなんだ。









やっぱり。
自分勝手な想いなのだろうか。









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References
 May.11 2003, 「貴女の過去は幻ですか」


2003年05月16日(金)


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History
2002年05月16日(木) 二人きりは寂しくないですか



< 独りだけ遅れているのですか >


経験値の高い筈である人間程、
逆に雁字搦めに陥って、
そこには辿り着けないのだろうか。



自身に経験の無い事柄を、
技術と伝聞とで必死に埋めて。
知識と想像とで、
経験を乗り越えようとして。

何度も何度も、
辿り着こうと努力した場所。

あっさりとその場に辿り着いた小さな彼に、
途方も無い力を感じてしまう。





もしかしたら人とは、
生きれば生きる程可塑性を失い続けて、
成長では無く退化を続ける、
そんな生物かも知れない。



垣根の無い柔らかい物が、
隣の異物を飲み込んで溶かし込んで、
また新たな形に変わったかの様に。

小さな彼はもう、
別の姿を獲得出来ているんだ。















貴女が少しだけ我慢をした、
嬉しい報告が、
俺の耳元に届いた。



 「今度来るんだよ。」
 「本当に?!」

 「泊まっても良い?」
 「良いよ良いよっ!」



小さな彼と貴女とで交わされた、
口調は軽いけれど、
中味は重い意味を持つ会話。



俺の存在が初めて、
小さな彼に伝えられた瞬間。

俺の存在を初めて、
小さな彼が容認した瞬間。
















貴女は子供の様な人だから。
小さな彼と同じ目線に、
ふわりと降りて行ける人だから。

きっと貴女は、
俺の事を包み隠さず残らず全て、
話しているに違いない。



貴女にとっても、
俺にとっても、
嬉しい事には違いないけれど。

何となく、
取り残された様な想いが、
胸に燻る。


2003年05月14日(水)


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History
2002年05月14日(火) イイ女になってくれますか



< 早く分かち合いたくは無いのですか >


普段と異なる雰囲気を、
目の前の人が醸し出していたとすれば。


髪型か、
それとも色か。
香水か、
それとも身に纏った装飾品か。

相手に気付かれぬ様にしながら、
全神経を相手に向ける。








普段と異なる振る舞いを、
目の前の相手にされたとしたら、
きっとその時も。


自身の行為が生んだ結果か、
それとも何か、
相手の身に変化が訪れたのか。

相手に向いた全神経は、
解答を探し当てるまで離れないだろう。















 「あのね・・・」
 「もったいないからメールじゃなく話せる時にする。」




我慢の下手な貴女が、
初めて使った技。




考える時間が欲しい訳でも無く、
感情を鎮める時間を必要な訳でも無い。

言葉から察するに、
貴女にとって嬉しい出来事に違いない。


逢瀬に関する事か。
それともまた別の出来事だろうか。

何だろうか。














勿体無くても良い。
早く教えてよ。

勿体無いかどうか、
俺にも判断させてよ。


貴女に向いた全神経が、
解答を見つけられずに彷徨ってるんだよ。


2003年05月13日(火)


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History



< 気付かせるのが目的でしたか >


懸命になればなる程、
不信や不可解や疑念を産む。


軽く、
薄く。


相手の視界に届く範囲なら、
最遠の位置で。

相手の支配権が及ぶ領域なら、
一番支配力の弱い所で。


決して大げさでは無く、
何らかの行為を起こしたと気付く程度に、
僅かに動く。




ただ其れだけで良い。











 「あのね♪」
 「へへ♪」
 「男に囲まれてるの♪」


 「男達のために飲み物を買いに来ました。」









懸命に成り過ぎた言葉達。




貴女から届いた文は、
尻尾を振る貴女の姿しか想い描けない。

其ればかりか、
小さな彼の友達があの家に来ている事を、
綺麗に描いた傑作だ。





貴女の一生懸命さは買うけれど。














寂しいんだろうな。

最近ゆっくり会話を楽しむ時間を、
作れていない。


もう一ヶ月以上、
自宅の受話器を握り締めて貴女と話す機会が無い事に、
俺は気付いた。


2003年05月12日(月)


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History



< 貴女の過去は幻ですか >


貴女の想いは、
より一層深い所にあったんだ。



 「私が何を考えているか分かる?」



貴女の言葉が、
受話器越しに俺の耳へと届く前に。

一瞬の沈黙で、
ほとんどを察していたと言うのに。


俺の脳裏に浮かんだ想いなど、
貴女の想いには、
到底及ぶ程の物では無かったのだ。

俺の脳裏に浮かんだ想いなど、
貴女の想いに、
辿り着く気配すら無かったのだ。





それ故に。

何を意図した言葉か、
瞬時に理解は出来なかった。














言葉を失うと言う表現には、
きっと値しない。

貴女の言葉から、
胸中の動揺が絶句と言う動作を生じさせる程、
俺自身は機能して無かったのだから。



 「大きい子より小さい子の方が良いのかな?」














五秒余りの時を経て。


小さな彼と、
この世に産まれる事の出来ないかも知れない子とを、
貴女が秤に掛けたと理解出来て以来。






過去に一度、
水子の苦しみを知った筈の貴女が、
何故この言葉を吐いたのか。

今も理解出来ない。









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References
 May.09 2003, 「仲間の輪はもう縒れませんか」
 Apr.11 2003, 「歓べないのですか」


2003年05月11日(日)


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History



< 仲間の輪はもう縒れませんか >


天気の話。
ドライブの話。

好きな野球チームの話。

伸ばし続けた髪を、
幼い頃から長かった髪を、
短く切った話。


何気無い話題の隙間に、
少しだけ変化を忍ばせながら。



毎日欠かさず届いていたメールが、
急に届かなくなった。













足りなかったんだな。





俺の力も。

君の側で必死になっていた、
俺の仲間達の力も。



一本一本糸を持ち寄って、
どれだけ周囲が其の糸を縒り合わせても。

裂け目の入った絆を引き続ける当事者達には、
決して敵わなかったか。
















予測に違わぬ文末など、
見ても意味が無いと思いつつも。



君と、
別れる事になった旦那と、
二人との親友関係は、
きっと崩れてしまうのだろう。

その事実を受け止める為に、
腹を括って画面を先送る。





















 「別れることになりました。」
 「力になってくれてありがとう。」


 「重い話でごめんね。」



努めて明るい話題を並べた文面の最後には、
少しの報告と、
お詫びの言葉が添えてあった。









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References
 Apr.30 2003, 「掴んではならぬ腕ですか」


2003年05月09日(金)


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History



< 希望が無いのですか >


本当に対等な立場なのか、
疑問に想う事が在る。

本当に対等な関係で居るのか、
不安に感じる事が在る。


例え掛替えの無い存在でも、
例え失いたくない存在でも、
相手の都合だけで、
何の脈絡も無く自身の姿を変え続ける事など、
俺には出来ないし、
相手にも望んでやしない。











ちょっとした御天道様の悪戯で、
貴女との逢瀬が、
小さな彼の運動会と重なったとしたら。


 「もし雨が降ったら・・・」
 「運動会は次の週なの。」


貴女は俺に、
どうして欲しいと言うのだろうか。







 「で、どうして欲しいの?」

 「どうしようか・・・」


この選択は、
俺が選べる代物では無い事ぐらい、
もう理解しているだろう。



貴女が望むなら、
一緒に来いと言われても良い。

貴女が考え抜いた結論ならば、
来るなでも構わない。



貴女の希望を聞かずして、
何の話も出来ないじゃないか。



そして。









 「一緒に観る?」



貴女のその遠慮がちに言う姿が、
対等で無い気がして、
媚びを売られている様で、
俺は嫌いだ。












言えないんだ。
まだ言えないんだ。




近付いたと想っていた二人の距離は、
未だに遠い。

油断や安心やそんな物はさっさと捨てて、
もっともっと努力が必要なんだよね。


2003年05月08日(木)


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History



< 顔すら脳裏に浮かばないのか >


どんな顔だろうか。
どんな表情だろうか。


決して変わらぬ陰影に、
想像で色付けをして視たけれど。

全く想像が付かない。



動かない顔だから。

何度視ても、
ただ一通りの表情だから。




小さな彼の顔は、
未だ写真と言う変化の無い表情でしか、
俺の視覚に存在していない。












複雑な顔。
寂しそうな顔。

そして我慢の顔。


小さな彼が貴女に見せた表情は、
彼の想いその物だろう。





貴女にとって、
小さな彼が大切な宝物であると同時に。

彼にとっても、
貴女は一番大切な存在。


父が恋しいと言葉にする事は、
母が望まぬ想いを口にする事は、
貴女に対して、
裏切り行為だと認識しているのだ。






あの男と会って、
あの男と過ごした後も。











この強大な想いへ、
俺は逃げずに立ち向かって行くのか。

この巨大な過去を、
俺の想いで上塗りして消して行くのか。






俺は本当に闘えるのか?










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References
 May.01 2003, 「見守る心境は不思議ですか」
 Apr.11 2002, 「見えない道を歩けるか」


2003年05月07日(水)


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History
2002年05月07日(火) 想いを込めて付けましたか



< 何故折れたのですか >


寂寥感に搦め捕られ、
其処から抜け出せなくなった時。

妥協の産物として、
何かに縋り、
自身を曲げる事が有る。




甘えであり逃げである事を、
充分に理解して、
其れを自覚していたとしても。

時として耐え切れずに、
弱味を曝け出して縋るのだ。



まるで動物が、
腹を出してボスに乞う様に。
















貴女からの愛の言葉に、
俺は想いを返していない。

酔いの上とは言え、
俺が想いを冗談と軽口で打ち返した事は、
紛れも無い事実。




貴女が臍を曲げる事に対して、
異論を差し挟む余地など蟻の大きさ程も無い。

俺が貴女に弁解する権利など、
端から認められていない筈なのに。




許せぬ行為は許せぬ行為だと貫く事は、
そんなに苦痛か?

俺に対して、
何故妥協を選択するんだ?

















 「呑み会で酔っぱ。」
 「そんな時の返事にムッとした私がダメなんだな・・・」

 「なんで貴女が謝る?」
 「悪いのは俺じゃないの?」




相手の想いに応えず、
一方的に謝罪を受け、
馬鹿が付く程惨めだからか?

何故か怒りが込み上げ、
口調は荒くなり、
余計に俺の立場を自分で貶めた。










苛苛しさの原因は、
きっと恐怖感だ。




妥協の積み重ねが歪みを生み、
其の歪みが、
何時の間にか互いの絆へ牙を剥く。


其れはアイツが選択した道じゃないか。


俺は貴女を失いたくない。


2003年05月05日(月)


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< 女の魅力を気にし過ぎていませんか >


ふと想い出した様に、
貴女は口にする。

女性としての自尊心と、
女性としての劣等感を、
常に貴女は、
胸の中で滾らせている。



 「無いより有った方が良いでしょう?」



問い掛ける貴女に対して、
俺は答える術が無い。








決して投げやりでは無いのに。
決して気を遣ってはいないのに。




 「どっちでも良い。」
 「気にしないよ。」



どちらの答えを用いても、
貴女に俺の本心は届きそうに無い。














夢の中でも意識し続ける貴女。



 「今朝、ぶた子になった夢見ちゃった。」



相変わらずの想いの強さが、
具体的な出来事を、
睡眠時のみの幻想として創り出す。



 「『胸大きくしたいなら、太れば良いよ!』の友達の言葉に。」
 「食べて食べて食べて・・・。」

 「ぶた子じゃん?!って夢だった。」



女性の心を、
異性を意識する心を、
忘れる事は許さないけれど。

過剰の想いは、
貴女にとって重荷とならないのだろうか。
















胸より何より。

一度でもあの腰の括れを堪能したら、
貴女から抜け出せないんだよ。





内緒だけどな。


2003年05月03日(土)


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< 平然として見えますか >


貴女も望み、
俺自身も望んでいる事には違いないけれど。

決して二人を惹き合わせるだけでは無く、
時には絆に綻びを生み、
時には想いに亀裂を生じさせ、
時には距離を遠ざけ、
其れは課題としてお互いの身に科せられる。



必ずやお互いを前に進ませる物だと、
そう信じながらも。


其の試練の強さに怯み、
持て余し、
ふと後悔の念を浮かべ、
挫けそうになり、
自分の弱さに愕然とするんだ。












貴女も望み、
俺自身も望んでいる事。


包み隠さず、
全ての出来事をお互いへ伝える行為。










俺の周囲に存在する、
異性の存在。


俺の身の回りに起きる出来事が、
貴女の嫉妬や不安を掻き立てる物であったとしても。

貴女は知りたいと欲し、
俺は伝え、
そして貴女が、
生まれ出づる感情に必死に耐えている様子が、
俺の元に届く。







貴女の身の回りに起きる出来事が、
俺の嫉妬や不安を掻き立てるかも知れないと、
貴女が想ったとしても。

俺は知りたいと欲し、
貴女も伝えたいと欲する。






 「たまには心配してよ。」






受話越しに、
貴女がふと漏らした一言。

周囲には異性の存在すらないと、
嘆き羨む貴女。

















俺の何処を見てる?

必死に強がって耐えている事が、
貴女には伝わらない?




これ以上心配させないでくれ。
俺は壊れちまう。


2003年05月02日(金)


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< 見守る心境は不思議ですか >


小さな彼に与えられる、
何人たりとも侵す事の出来ない、
絶対の権利。



俺と貴女が、
どれ程強く想い合っていても。

俺自身が、
どれ程強い力を有していても。

俺と小さな彼が、
どれ程強い絆を築き上げたとしても。


唯一小さな彼だけが、
解答権を有し、
必ず答えねばならぬ宿命を背負っている。












彼の父親が会いたいと、
そう願った時には。

何人たりとも
断じて介入など許されないのだ。














小さな彼と父親が会う事を、
俺に告げた貴女の想い。


 「悩んじゃった。」


貴女は十二分に感じ取っている。

俺が未だに、
小さな彼に逢っていない事も。

俺があの男の存在を、
恐れている事も。






 「俺は大丈夫だって。」


乗り越えねばならぬ壁が有る。

その壁に挑む事も、
その壁を越える自信を得る事も、
俺の中では、
既に通過点として認識されているのだ。














俺があの男を恐れた呼び水は、
貴女の立ち振る舞いであった事は、
俺は貴女にきちんと伝えた。



 「大丈夫って言わせてしまったのかな?」
 「この前みたいな事はしてないから。」



例え貴女に聞かなくても、
例え貴女が言わなくても、
俺はその事実を知っているから。



だからこうして、
平然として小さな彼を見守れる。









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References
 Oct.23 2002, 「脅威を感じているのか」


2003年05月01日(木)


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