きっとちょっと嬉しそうに微笑みながら、 君は話しているんだろうな。
「こんなにすぐ電話くれると思わなかった!」
俺を頼って来る時は、 彼女は間違い無く瀕死の重傷だ。 それが痛すぎる程わかるから、 放って置けない。
「誰でも良いから暇な人紹介して!」
最悪の精神状態。 彼女らしさなんて何処かに吹っ飛んで、 目の前の快楽しか見えていない。
自棄になるなよ。 そんな風に自棄になっちゃ駄目だ。 一時的な快楽で其の場を乗り切ったとしても、 残る傷には君じゃ耐えられない。
例えあの男への不満が自分の閾値を超えたとしても、 一度彼を生涯の伴侶と決めた責任からは、 絶対に逃げられないんだから。
それでも限界なら俺が相手してあげるから。
だからもう少しだけ、 真正面に立ち向かってみようよ?
「電話ありがとう」 「うれしかったよ」
そう。
其の言葉。 其の気持ち。 其の雰囲気。
其れが君の一番の魅力で、 其れが俺の好きになった所だったよね。 |