例えどんなに都合の悪い事でも、 貴女が俺に隠し事をしたくないという気持ちは、 良く理解しているつもりだった。
けれども、
「何でも言う女は嫌い」
馬鹿な台詞を貴女に吐いた俺は、 何日か前には、
「何でも言って欲しいから」
なんて調子の良い言葉を、 貴女に対して言っていた事を、 怒りで忘れていた。
俺の欲しかった物は、 謝罪の言葉では無い。
俺の欲しかった物は、 別れた以上、 あの男が貴女に対して甘える事など許されないのだと、 あの男にわからせてやる事。
結局俺が欲しかった物は、 貴女への独占権。
貴女に意地悪したかったんだ。 貴女を振り回したかったんだ。
唯一俺だけに許された権力を、 振りかざしてみたかった。
「私はもう必要無い?」 「私には小坊主が必要だよ。」
そう言う貴女に言えるだろうか。
俺には貴女が必要だよ。 いつまでも俺を必要としていて欲しい・・・ |