雲間の朝日に想うこと


< また一つ支えが増えましたか >


やっと秘密を親友に打ち明けられた貴女は、
強い力が漲った声で話してくれた。

親友に応援の言葉を贈って貰った貴女は、
朝の爽やかさと一緒に、
未来の明るさを届けてくれた。


貴女の迷いの晴れた声。


こんなにも貴女の声に安心出来た事は、
本当に久しぶりの様な気がした。








重ねて来た嘘が多過ぎて、
何処からアリバイが崩れてしまうかを思うと、
冷や汗が止まらない。


けれども、
俺と貴女と二人だけで築いて来た絆だから、
強く強く束ねた注連縄の様に、
絆が俺と貴女を守ってくれるに違いないさ。






 「遠恋だね〜」
 「がんばって!」
 「あれ?小坊主さんとは去年会っただけ?」
 「会いたいでしょ〜♪」






喜んでくれた親友の言葉に、
必死に動揺を隠している貴女の様子が浮かんで・・・

思わず微笑んだ。


2002年08月30日(金)


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< まだ秘密の存在ですか >


予想だにしていなかった貴女の言葉に、
言い様の無い虚脱感を感じた。
俺の全身が機能を停止した音が聞こえた。


 「友達に送ったメールの小坊主は、現実の小坊主?」
 「架空の小坊主?」
 「どっちが良いの?」






俺が少しずつ進めて来た道は、
貴女と一緒に進んで来た道は、
本当はただの自己欺瞞で、
結局俺が一人で突っ走っただけの道。

俺の言葉は貴女に届いていない。
俺の想いも貴女に伝わってない。
俺の覚悟も貴女は感じていない。



 「お互い先を考えて・・・」
 「子供にも会わせて・・・」



そんな事まで話し合った相手も、
仲間内には話せない相手。
隠しておきたい相手。




だったら、
好きなだけ言い訳を重ねれば良い。


重なった嘘が絡みに絡まって身動き出来なくなった時は、
俺を架空の世界に閉じ込める。

そうすれば貴女は平気なんだから。


2002年08月25日(日)


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< 俺の声で落ち着けましたか >


俺に宛てた手紙を、
間違って親友に送ってしまった貴女。


 「もうすぐ彼氏が来るので今度聞かせて」


親友の言葉に、
動揺と後悔を隠せない貴女。





思わず貴女の声が欲しくなった。
浮き足だった貴女を、
ゆっくり包んで落ち着かせたかった。


携帯をそっと手に取った。
貴女はぎゅっと携帯を握っていた。


 「間違えちゃった!」
 「ジタバタしても始まらないでしょ。」

 「ヤバイよ〜!」
 「どうして?」





順を追ってちゃんと話せば、
何も怖がる事は無い。

確かに彼女は俺と貴女の事を知らないけれど、
俺と貴女の事は、
もう隠さなくて良いんだから。





相変わらず抜けているけれど、
相変わらずドジだけど、
もう大丈夫。


お天道様に見てもらえる、
そんな関係になったんだから。

晴れ渡った日なのに、
薄暗い部屋で過ごす必要も無くなったんだから。


2002年08月24日(土)


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< 身嗜みを整えませんか >


寝癖のまま仕事に向かう貴女。
寝癖のままライブに向かう貴女。

そんな貴女を感じて残念でならなかった。


少し怒って、
少しイジケて、
少し乱暴な言葉をぶつけて、
最後に謝って。

自作自演。
ただ一人でもがいてもがいてもがいた。
大人気無かった。








女として着飾る事を忘れて欲しくは無い。
いつもイイ女でいて欲しい。

疲れているのはわかっているけれど、
お洒落どころじゃない事もわかっているけれど。

それでも女でいて欲しい。



そう願う事は間違いなのだろうか?
そう願ってはならないのだろうか?




結局俺の言葉に、
返事はもらえないんだね。








明日からまた仕事だな。
頑張って。


2002年08月18日(日)


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2001年08月18日(土) 行動の積み重ねが大切に想えませんか



< 安堵しても良いのですか >


何時の間にか心の奥に入って来て、
何時の間にか遠ざかっている、
いつものあの子だった。

考えている事を全部見透かしているかの様に、
不思議な雰囲気で話すあの子だった。



 「いつも電話で話している私だったでしょう?」



確かに目の前のあの子は、
いつものあの子だった。








けれども、
たった一つだけ違う事があった。



いつもの冗談は無かったね。

思わせ振りないつもの態度は、
一つも見せなかったね。





少しだけホッとしました。


2002年08月15日(木)


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< 使えていますか >


アイツなんか忘れてたけれど、
アイツなんか気にする事なく生活してきたけれど。

ちょっとした瞬間に、
アイツの存在を強いられる事がある。


 「どうするの?」


妹の問いに答えようとして、
言葉が出ない。


アイツの忘れていったこの傘を、
俺はいったい何時返せば良いのだろうか?






良く考えてみれば、
普段何気なく使っているコレもアレも、
アイツから貰った物だ。



俺の性格をわかっているから、
きっと想像は出来ているだろう。
使うから欲しがった物だ。
使っている事などお見通しだろう。

けれども、
今も変わらず使っている事を聞いたら、
アイツはどう思うだろうか?






俺のあげた物は、
アイツはきっと使えていないよね。


2002年08月14日(水)


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< 変質者の様でしたか >


目の前に座った子の股間から、
ちらちら見える下着。

淡い水色。
俺の好きな色。




貴女の言う通り。

この時俺の顔は、
きっとにやけて緩んでいた。

でもそれは、
この子に対してじゃないんだよ。






貴女を想い出した。

俺の好きな色を聞いて、
本当に身に纏って来てくれた、
あの時の貴女。



あの時の一生懸命さが、
可愛くて微笑ましくて何となく可笑しくて。

あの時の貴女が目に浮かんで、
顔が緩みっ放しでした。


2002年08月11日(日)


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< 今日は何の日ですか >


今朝起きてから今までずっと、
貴女が問いかけて来るより前からずっと、
その事を考えていた。


 「今日は何の日だ?」


貴女の送って来た問いの答えは、
とても簡単な物だった。








初めて逢って一年。

何を変えて来たのだろうか。
何を壊して来たのだろうか。
何を残して来たのだろうか。




俺の気持ちも大きく変わった。
お互いの状況も大きく変わった。
何もかもすべてを変える事で、
俺と貴女は気持ちを近づけて来た。

その為に壊した物も少なくない。


今朝起きてから今までずっと、
貴女が問いかけて来るより前からずっと、
その事を考えていた。










貴女の俺への気持ちだけが、
一年間変化する事無く続く唯一の物。


貴女を凄いと思った。


2002年08月05日(月)


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