自身に植わる棘や、 自身に巣喰う穴を。
宥め、 賺し、 御して進む事は。
歩み来た路の、 証に他ならないけれど。
時に其れは。
自身の範疇を超えて、 自らを喰らう。
自身の与り知らぬ、 威を借りて。
納得と。
感情と。
責任と。
其んな物は。
決して、 同じ方を向きはしないのだから。
「私にも子供はおる。」 「奪われたけれど。」 「消化し切れてないんよ。」
幼き刻の内に、 無理矢理引き剥がされた、 あの子の娘。
此の世に、 生を得る事の無かった、 俺とあの子との娘。
そして、 今日も父に願いの文を寄越す、 俺の娘。
三者三様で在る事が、 至極当然で。
俺自身の娘への在り様と其の責任も、 至極当然で。
其れでも。
其の存在は、 あの子を刺し続けて了う。
正直に、 言の葉を吐き出してくれる、 其れだけでも。
未だ、 増しなのだろうか。
傍に寄り添う事に、 精一杯で。
大事な話を。
多くは、 交わさずに来て了ったね。
---------- References Jun.21 2017, 「何れにしてもの期限でしょうか」 May.26 2016, 「今日も残らぬ日付でしょうか」
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