本音と、 本心では無い言葉が、 乱立して居る事は。
十二分に、 認識出来るけれど。
其れは飽く迄、 自身と、 相手と、 一対一の関係に於いてのみ、 成立する。
其れ故に。
個々人に応じた、 振る舞いが、 在るのであって。
一対の組み合わせを、 変えれば。
想いを搦めた上で、 自身の言葉を、 振り翳す必要が在るのだ。
其れが、 本心でも。
逆に、 本心で無くとも。
俺以外に対して。
其の言葉は、 通じない。
幾ら、 自身に宿した、 命でも。
「憂鬱だ。」 「憂鬱だ。」
姫が俺に投げる、 其の言葉は。
同時に、 姫の内部にも響き行く。
憂鬱と、 母に言われ続ける其の子に。
幸せなんて、 築いてあげられる? |