何れ程、 積み重ね来た礎でも。
至る経緯が、 総て削除されて了えば。
朧朧たる、 逃げ水にしか為らぬから。
転々と。
想いは、 彷徨い始めるけれど。
言い換えれば。
何度も飲み込み、 幾度も封じ。
無理矢理に捩じ曲げて来た、 其の想いの核が。
嘗ての輝きを取り戻す事と、 同義なのか。
あの子は。
「本当に私と付き合っていたのなら。」 「私と別れて下さい。」
二人の時間を見失い。
至極真っ当な言の葉を、 呟きながら。
「ねぇねぇ?」 「うちらって付き合ってる時って仲良かった?」 「らぶらぶ?」
ずっと昔。
良く目にして居た、 少し奔放で、 少し舌っ足らずな其の姿を。
垣間見せた。
きっと。
きっと、 こんな風に振る舞える様な場所を。
俺は。
創ってあげなきゃいけなかったんだ。
---------- References Sep.30 2011, 「試練では無いのでしょうか」 Sep.19 2011, 「何を求めて逢うべきでしょうか」 Aug.02 2004, 「挑発の応えに成り得る質でしたか」 Jan.14 2004, 「偽りの返信でしょうか」 Aug.15 2002, 「安堵しても良いのですか」
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