其の両者は、 決して、 並存出来ぬ事では無い筈なのに。
一つ、 一つ、 個々に向き合うと。
矛盾に、 苛まれる。
尊く、 厳かな其の生を。
保ち、 全うする事と。
望む自由を、 叶え。
想う幸を、 優先する事と。
其の何方が。
真に、 正しい路なのだろうか。
日々の質を希う事は。
時に、 命の存在を否定して了う。
あの子は、 総てを理解した上で。
「小坊主ちゃんも医者と同じ事言う。」 「教科書みたい。」
非難と諦めを、 ごちゃ混ぜにして。
行き所の無い拳を、 吐き放った。
「退院したいって想う事は。」 「そんなに贅沢なのかな。」
「贅沢だとは想わないよ。」 「でも其れは難しいよ。」
無機質な其の部屋に居続ける、 其の苦痛は。
理解出来るけれど。
でも。
あの子が横たわる、 透明な樹脂で覆われた場所の、 其の意味も。
無視出来ない程、 重いんだ。
御免ね。
---------- References Feb.12 2016, 「望まぬ目先を謀るのですか」 Jan.03 2016, 「愛は死に至らしめる事でしょうか」
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