相手を想うとは。
相手の言動や、 相手に起こる環境の変化を、 一つ一つ丹念に拾い、 応じて。
相手の最終的な決断の、 全てを許容する事。
其れが大部分を占めるのだと、 そう想って居た。
「話さなくて良いの?」
「聞かなくて良いよ。」
問い掛けに、 そう答えたのは。
相手の選択に、 自分が信を置いて居るからに、 他ならないのに。
「話さなくて良いの?」
「聞きたく無いよ。」
何時の間にか、 言葉も想いも掏り替って居た。
聞かなくて良いに、 拒否は無い。
けれども、 聞かなくて良いに、 意思も無い。
意思を要求されるならば、 間違い無く、 聞きたいと答えたけれど。
あの時点の姫に、 其れは焦燥を与える効果しか、 無いと想ったから。
間違って居たのか?
姫の話は何時も唐突で、 其の過程が無いから。
殆ど理解出来ないんだよ。
「聞きたく無いって言ったじゃない!」 「話したいことたくさんあるんだから!」
ストレスを溜めて居る素振りの、 姫を見て。
いよいよ大詰めなのかなと、 推測する事しか、 俺には出来ないんだよ。
---------- References Mar.12 2004, 「都合の良い状態が必要ですか」 Mar.17 2004, 「前科を消す術が在りますか」
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