其の応えは、 実は、 画一的では無くて。
或る一定の確率で、 選択されて居るに過ぎないから。
今一度、 其の機に面した刻に。
今一度、 同一の応えを得られる確実性は、 何処にも無いのだけれど。
其れでも。
より可能性の高い応えや、 其の再現性は。
或る程度、 予測出来るのだから。
其の殆どの機に於いて。
恐らくは、 同一の応えが返る筈なのだ。
其処には、 想いの機微が在って。
互いに変動し続ける、 其の、 深度と時季に応じて。
偶然、 噛み逢うのかも知れないけれど。
其れでも。
其の、 唯一の機に選ばれる、 偶然は。
きっと、 幾度も選ばれる筈の、 偶然なのだ。
何故に。
可能性の低い選択が、 其処で、 為されて了ったのだろう。
微妙な距離感で。
前と、 後ろを、 歩く其の刹那に。
「手を伸ばしても。」 「繋いではくれないでしょ?」
「繋いだと想うよ。」 「お気に入りだったもん。」
「何故かなぁ。」
「何でだろうね。」
俺の、 伸ばさなかった手と。
あの子の、 伸ばさなかった手は。
一番、 再現性の高い応えとして。
互いに、 刺さり続けるのだ。
ずっと。
---------- References Apr.20 2013, 「初めて繋がった日に為るのでしょうか」
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