雲間の朝日に想うこと


< 通りすがりの懐炉でしょうか >


重なる偶然の、
其の稀さ加減故に。


ふと、
想いが高揚したのか。



其れとも。



一瞬でも、
寄り掛かる其の温もりを、
欲して。


心許せる対象に、
触れたのか。











早く、
早く、
殊更待ち望み。

其れでも、
此の手に訪れる事の無かった、
其の機が。




彼女の、
帰国の機と。

俺の、
出国の機と。


偶然に重なる事で、
眼前に、
浮き出しては。





其の、
刻の歩みを。

一気に、
巻き上げた。




















 「またね。」



一言で終える筈の、
其の、
挙げた手を。



重ね。

指を絡め。

身体を寄せ。



 「ちゅ〜はしないよ?」

 「しちゃった。」


唇が、
一瞬触れる。


















少しでも、
元気に成れただろうか。







 「行ってらっしゃい。」

 「行って来ます。」


交わした言の葉の、
其の直後に、
顔に浮いた憂い。


でも。


此れ以上の、
強い援護の手は。

俺には、
打てないよ。





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References
 Jan.03 2012, 「切っ掛けは保険の様な物でしょうか」







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2013年06月25日(火)


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History
2005年06月25日(土) 半ば投げ遣りなのでしょうか
2004年06月25日(金) 出せぬ手紙が引き出しに無いのですか
2003年06月25日(水) 言葉は選べないのですか
2002年06月25日(火) 支える資格がありますか





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