其の刻は。
自身の差配に因らず、 眼前に、 顕れる物だから。
決して。
御す事の出来る代物では、 無いのだけれど。
其れでも。
其の刻が。
自身の望む形で在らんと、 切に希う。
先か。
後か。
唯の、 其の二択に。
何れ程の想いが宿るのだろうか。
葛藤と。
決別と。
そして現実と。
「もうね。」 「残されたく無いの。」
あの子の其れは、 殊更、 重い遺志で。
葛藤と。
現実と。
そして覚悟と。
「見送るよ。」 「最期迄。」
俺の其れは。
此れ迄の、 括った腹の何れよりも重い、 決意だけれど。
多分。
互いが在ってこその、 虚勢に、 過ぎなくて。
其の刻には、 揺らぎ乱れて終うよね。
きっと。
---------- References Apr.21 2012, 「未だ進めぬ日付でしょうか」 Jul.21 2011, 「照らせる深さでしょうか」
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