感知する事の出来ぬ、 其の存在に。
確信の持てぬ、 其の温感に。
時折、 惑いながら。
感覚の真偽には、 然程、 重みは無くて。
其処に宿る、 想いこそが本質なのだと、 言い聞かせる。
けれども。
自身のみが共有し得ぬ、 其の疎外感に。
半ば、 諦めの想いを抱き。
恐らくは。
其れが、 余計に存在を遠避ける因に、 成るのだと。
途方に暮れる。
「胸の辺りが温かくない?」
「コートの中に潜り込んでるってこと?」 「そっちに居た方が温かいのに。」
「其処が好きみたいよ?」
「抱っこが好きって。」 「誰かさんと一緒だね。」
「そうよ。」 「其処取られちゃってるんだから。」
腕に抱く、 あやふやな温もりが。
西国とは、 比較出来ぬ程の夜陰で、 凍えぬ様にと。
何故か。
歩みを、 速めて了うね。
---------- References Nov.28 2012, 「一月だけの命でしょうか」 Dec.01 2012, 「触れられぬ温もりでしょうか」
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