祝いの席。
其の場に自身が在る事を、 例え望んだとしても。
選択権は自身に無い故に。
「来られるかなぁ?」
「聞いてみたら良いじゃない。」
其の誘いの言葉が、 自分の彼女からではなく、 彼女の息子から発せられたと言う事に。
大きな意義が在るのだろう。
彼がどの様な意図を持って、 祝宴に奴を招いたか。
例え其れが判明しなくとも。
誕生日。
自分の祝宴が、 他人中心の宴会になろうと。
二人が、 美味しそうに食べて、 楽しんで、 呑んで、 酔っ払う。
其の事実が、 彼の目の前で起きる事。
其れが彼の望んだ事なのかも知れない。
奴と彼女が、 共に彼を祝う事よりも。
嬉しそうに話す奴の言葉を、 半分聞き流しながら。
小さな彼には、 未だ無理だろうかと、 想いを廻らす。
いや、 其の前に。
そもそも、 小さな彼の祝いの日が、 何時なのか。
俺は其れすら、 未だ記憶に無いのだ。
---------- References Aug.17 2003, 「時が奪って行きませんか」 Aug.28 2003, 「離れていても共に学べますか」 Nov.29 2003, 「其の価値を忘れて居ませんか」 |