< 暖かくはないのですか >
受話器から届く貴女の声は、 きっと白い息に包まれているんだろう。
「今日の気温差は10度だよね」 「寒いよ〜」
俺の住むこの地でさえ、 紅葉色の葉が目立って来た。
貴女の住む地では、 紅葉は既に終わりを向かえつつある。
「寒くないだろ!」
殊更寒さを強調して甘える貴女に、 一つだけ意地悪をした。
「あっそ、貴女は寒いんだ・・・」
殊更寒さを強調して甘える貴女に、 少し不機嫌になってみた。
いつもの様に、 しばらくしてから気が付く貴女。
その地団駄を踏み悔しがる貴女が、 俺のお気に入り。
明後日は貴女が横にいるんだ。
寒かったら、 寒さなんか感じさせたら、 承知しない。 |
2002年10月17日(木)
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