互いの関係と、 互いの侵して良い領域。
個々人で、 若干の許容量に違いは在れど、 或る程度は、 定められた境が存在する。
其れ故に。
自身の傘が、 何処迄、 及ぼされるべきか。
常に自問するのだけれど。
傘の外と認識して居ながら、 敢えて、 其処へ踏み込む時。
何を想えば良いのだろうか。
見掛け上は、 傘の外に過ぎない存在を。
傘の内に招き護る覚悟など、 疾うの昔に、 持って居るけれど。
そして。
現実に、 傘の内へ招かねば為らぬ事が、 起こり得る予感も。
初めから、 持って居たのだけれど。
傘の外で済む方が。
本当は、 幸せに近いのだ。
きっと。
「其れは彼の甘えを増やすだけで。」 「彼の為に成らないよ。」
「彼の今後は別に考えないと。」 「先ずやるべきなのは名義を譲って貰う事でしょ?」
義母。
血も籍すらも繋がらぬ息子。
見た事すら無い元旦那。
初めて耳にした元旦那の彼女。
総てが、 其の総てが、 越権行為だと知りながら。
其の間で揺れる資産に、 口を、 差し挟む。
俺にとっては、 飽く迄、 他人だけれど。
姫にとっては、 紛れも無く息子で。
其の息子を想う事は。
姫を想う事と、 然程、 違いは無い事なのかな。
---------- References Jan.1 2009, 「本当は消したい場所なのでしょうか」 Mar.21 2004, 「血が通う事は無い関係でしょうか」
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