< 隣に映るのは嫌いな雄ですか >
其の不安を、 理解出来ぬ訳では、 無いけれど。
俺には、 遠ざける事など、 容易な時ばかりであった。
現実に。
其の状態を、 目の当たりにした上に。
更には。
避ける事も出来ず、 何年間も、 苦しみ続けて来たのだろうから。
其の重量は。
比較にならぬ程、 重い筈だ。
存在自体を、 許せぬ男。
存在自体に、 嫌悪感を隠せぬ男。
昇華、 いや退化した、 其の存在を。
自宅の中に、 自身の隣に、 置き続けて来たとすれば。
其処に棲む、 極度の精神状態も。
既知の物で。
自身の視界に、 其の物体を入れる事は。
想像ですら。
十二分に、 自身を致命傷へと誘うのだろう。
姫は。
既に一度、 其の存在を視てしまったから。
「もし小坊主を嫌いになったら。」
「ん?」
「隣に居るのが嫌な男だったら。」 「ぞっとするよね。」
そう言いながら。
其処に俺が陥る事の、 悍ましさを、 過敏に感知して。
震える程、 怯えるのかな。
---------- References May.11 2004, 「何方に在った重荷ですか」 May.08 2004, 「知らないふりは許されますか」 Jul.27 2003, 「対等の土俵に登れますか」 |
2004年06月07日(月)
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