二つの、 別々の力で支配され。
不規則に揺らぐ、 混沌とした世界は。
時の歩みを、 空間へ埋め込めば。
類似した形を、 描き続けるかも知れないけれど。
境界線は、 常に揺れ動き。
何処かに収束する事は、 決して無いのだ。
自身の願望と、 自身の臆病。
相手の希望と、 相手の臆病。
何れ程、 其の軌道が近付こうと。
飽く迄、 其れは近傍であって。
次の瞬間に、 同じ場所を通る事など、 決して無いのだ。
けれども。
其の法則性は、 人を踊らせ魅了し。
其の場が、 複雑な空間で在る事を、 時に、 忘却させるのだろうか。
「F1でも見に行くのかよ?」 「違いますよ、仕事です。」
「ん?俺、ちょうど東欧じゃん。」 「ホントだ!」
「こっちにも来れば良いのに。」 「小坊主さんはこっち来ないんですか?」
「じゃぁ、モナコでデートでもしちまうか?」 「はい♪」
同僚と交わす、 軽口に。
魅入られる様に、 手が、 伸びそうに成る。
其の軌道は、 収束する事など無いのに。
---------- References Feb.07 2005, 「研鑽の足りぬ鍵でしょうか」 |