< 勝る物が有りますか >
他人の恋路を護る為に、 俺に命が落とせるだろうか。
他人の恋路を護る為に、 俺は犠牲になれるのだろうか。
無償の心で誰かに接する事で、 偉大な殉教者を感じられるのならば。
貴女一人にその心を抱き続けられない俺には、 未だ成すべき事が多過ぎる。
他人が命を捧げて俺と貴女を包んだ時、 俺は貴女に愛を誓えるだろうか。
他人の命で俺と貴女が救われた時、 愛の重みに潰れてしまわないだろうか。
無償の行為を受けられる歓びを、 偉大な殉教者に感じさせてもらえたとしたら。
幸福に周囲を包まれ続けている俺などには、 勿体無い。
「もう間に合わないね・・・」
きっと期日までには届かないであろう、 愛の詰まった聖なる菓子。
すれ違いの日々を後悔している貴女にも、 伝えてあげたい。
そんな悩みで一喜一憂出来る俺と貴女が、 どんなに幸せなのか。
「良いから。」 「逢える日に頂戴。」
例え規定通りの日でなくても、 ほらね。
逢瀬の日は、 愛に溢れた或る二日の丁度真ん中の日。
今二人で感じる想いを、 今二人で感じる気持ちを。
命よりも大切にする事が、 司祭の望んだ姿だと想うから。
数日間滞っていた定時便が、 貴女の音と共に届いた。
「やっぱり仲良しさんが良いね。」 「今日も頑張ろうって元気出るね。」
貴女の元気の素は、 俺にとっても必要不可欠な力の源。
聖なる菓子よりも、 もっと上質で大切な物。
---------- I wish you a happy Saint Valentine's Day. |
2003年02月14日(金)
---------- History
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