深く、 深く、 互いを想い。
丁寧に、 丁寧に、 互いを観る事で。
交互に、 或いは同時に。
両の輪が連動し、 互いを、 進め行くのだから。
其れは。
互いの波調を、 巧みに同期させて居る。
其の証拠に、 他ならないのだけれど。
一方で。
今、 互いが欲して已まぬ要素とは。
飽く迄、 何の脈絡も持たぬのだ。
共に在る事を、 拒絶するかの様に。
「嫌だなぁ。」
姫は、 そう呟く。
「熱在るの?」
「鼻水も。」
「俺は咳もだよ。」
「小坊主も?」
娘の、 数日前の姿は。
綺麗に。
俺と、 姫とへ、 移し捕られた。
互いの連関が、 如何に、 堅固で在るか。
誇示するかの様に。
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