貴女の言葉が、 不安そうに聞こえるのは、 どうしてだったのか。
俺の言葉が、 不安そうに聞こえたのは、 どうしてだったのか。
貴女の側に居る限り。 貴女と付き合い続ける限り。
この不安感が消える事は、 きっと無い。
「私って猪突猛進?」 「私って突っ走り過ぎ?」
貴女の良い所も、 貴女の苦手な所も。
少しずつ分かって来たから。
俺の振る舞いも、 俺の思考も。
貴女に伝わり始めているから。
だから貴女は、 何も変わる事無く居れば良い。
貴女の魅力まで削り取る必要は、 何処にも無いのだから。
「だから氏名が必要って言ったじゃない。」 「だってぇ・・・」
「だから予約出来んのか聞いたじゃない。」 「だってぇ・・・」
「だから来いって言えないんでしょ?」 「だってぇ・・・」
なぁ?
少し変われと願っても、 貴女の魅力は無くならないだろうか。
少し変われと想っても、 貴女の魅力を失ってしまわないだろうか。
宿泊先から、 問い合わせのメールが届く。
「小坊主様の下のお名前もお教え願えますか?」
お詫びと、 必要事項を、 慌てて送り返した。 |