二人の残した足跡が。
直ぐ視界に入る程、 傍らに在る時。
想いは何方に転ぶのだろう。
御守りとして、 芯の強さを与え続けるのか。
悔恨の情を呼び、 其の場に縛り続けるのか。
期待と、 不安と。
何れも確固たる質量を持ち、 想いに存在するけれど。
想い出を残すか。 想い出を捨てるか。
きっと、 俺が決める事では無いから。
あの時の様に、 全てを委ねれば良いのかも知れない。
パソコンを壊してしまった、 貴女に。
「私が失ってしまった画像。」 「本当にもう一度送ってくれるの?」
貴女任せと割り切った想い出なら、 届ける事は容易いけれど。
「あと・・・ラブホで撮った画像。」 「あは♪」
貴女の手技に全てを委ね。
恍惚に陥る寸前を、 固めた画など。
贈って良いのだろうか。
きっと今の俺は。
此の贈り物に、 呪いの種を蒔くに違いない。
今後も貴女が、 俺の存在から抜けられぬ様に。
俺の存在を、 想いから消せぬ様に。 |