自身で、 見付けようと。
誰かに、 誘われようと。
誰かに、 引っ張られてであろうと。
新たな世界は。
踏み込んだ者にしか、 決して、 与えられない場所だから。
最後の、 最後には。
自身の意思で、 一歩を踏み込み。
其の一歩に、 自身で、 責めを負う必要が在るのだ。
嬉々としてであろうと、 嫌々であろうと。
一歩、 踏み出さぬ限り。
望んだ物など、 其処に、 現れやしないのに。
後輩の送別会に 二人で出掛ける事と。
二人の宴に、 見送る後輩を呼ぶ事と。
其の違い位は、 俺にも、 理解出来るけれど。
其処に、 拘り続けるから。
姫は、 俺の知り合いに会う機会を、 逃し続け。
俺は姫を、 紹介すら出来ずに居る。
「後輩の送別会に行けば!」 「私は行かない!」
完璧な御膳の整うのを、 今も、 待ち続ける姫は。
「いつも座ったままで良いね。」 「座ってればご飯の用意が出来て。」
其の言葉を、 時々口にされる俺の姿と。
何の違いも無いだろ。 |