何れ程強く、 何れ程しなやかに、 此の身を、 奮わせた所で。
其の波を、 受ける想いが無ければ。
其の音は。
行き処を失い、 唯、 霧散して行く。
永く、 永く。
奏でた音が、 鳴り響く為には。
飽く迄。
其処に、 共鳴が必須なのだ。
想い豊かに奏でられた、 其の調べは。
何時でも、 心地好い空気を創り上げる様に、 思えるけれど。
調べを、 聴かなければ。
想いを、 放つ意欲も。
想いの、 及ぼす効果も。
簡単に、 奪い去られて。
其の内に。
奏でた筈の、 自身の耳にすら、 届かなく成るのかも知れない。
未だに、 同居人の範疇を超えられぬ、 自身に。
一瞬、 苛立ち。
一方で。
如何に、 必死に掻き鳴らした想いでも、 結局は、 聞き流されるのだと。
半ば、 諦める。
本当に。
姫に、 聴く意志が在るのだろうか。
本当に。
姫は、 心を開きたいと願って居るのだろうか。
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