覚醒下の、 高度な調節機構は。
恐らくは、 失われて居るから。
一つ、 一つ、 反射が暴走する様に。
各々の振る舞いが、 無闇矢鱈に、 生じたとしても。
決して、 不思議は無いけれど。
何の脈絡も無く、 延々と、 繰り返される。
相反した、 動物的振る舞いは。
滑稽としか映らない。
「寒いっ!」 「冷たいっ!」 「寒いっ!」 「冷たいっ!」 「寒いっ!」 「冷たいっ!」
少し遅れて、 寝床に入った俺に。
寝ぼけた姫は、 延々と、 繰り返し続けた。
寝床の寒さに、 耐えかね。
俺の温もりを欲し。
俺の身体の冷たさに、 耐えかね。
俺を必死に突き放す。
抱き付きながら、 突き放す、 其の矛盾する行為を。
同時に遂行しようとする、 姫の、 必死な姿が。
余りに可笑しくて。
とても、 眠りに就けそうに無い。 |