自身の進む途途に、 示標が、 添えられる事を。
時として、 望むのだけれど。
其の示標を穿った、 先人は。
飽く迄、 確かなる唯一の途を歩んだ訳では無いのだ。
其処には、 数多の途が在り。
其処には、 数多の応えが在る。
「私にとって。」 「小坊主は。」
坂の街の人は。
俺を、 雨の木と名付けられた其の木に、 重ね称するけれど。
違うよ。
此の大樹は。
風が吹けば、 梳き鋏で手を入れた様に、 疎らな葉々を曝し。
寄り掛かれば、 芯を抜かれたかの様に、 間隙だらけの幹を露呈する。
そんな幹なのにね。
---------- References Nov.17 2007, 「嫌いより無い方が増しでしょうか」
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