例外的に。
一方の嗜好が、 他方に浸潤する事も、 在るのだけれど。
一方の嗜好は。
飽く迄、 一方の域を越えずに。
他方に何の関心も呼ばぬ事が、 多いだろうか。
其れ故に。
其の、 一方の想いにしか応ずる事の無い、 事象を。
他方へ、 放ち。
或いは、 拒絶して。
互いに。
其の境目を、 深く掘り進んで終う事が、 在るのだけれど。
其処に、 一つの工夫を加えるだけで。
其の境目など。
一瞬の内に埋めて了う事が、 可能なのかも知れない。
毎年、 葡萄酒の解禁日には。
必ず試飲の梯子をすると言う、 自身の嗜好に。
姫は一つ、 巧みな仕掛けを用意する。
「黒猫のワイン。」 「無かったから買って来られなかったぁ。」
そうね。
其の一言で。
今日が互いの嗜好の範疇に、 入るんだね。
---------- References Nov.17 2006, 「久々の地下街を愉しめるでしょうか」 Nov.19 2004, 「理解の進んだ証拠でしょうか」 Jun.19 2005, 「時のみが知る応えでしょうか」
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